冷夏の恐れ予報注視を 続くエルニーニョ 対策へ動く産地も

「悪天候が続き今後が不安」と話す高橋さん(岩手県花巻市で)

 日本に冷夏など異常気象を招くとされるエルニーニョ現象が続いている。同現象は秋まで続く可能性があり、警戒が必要だ。1993年は冷夏によって米が大凶作となった。今夏は、北日本に北東からの冷たい風(やませ)を吹かせるオホーツク海高気圧が発生しやすい状況が続いており、気象庁は「冷夏になりやすい傾向にはある」と注意を促す。
 

岩手 深水管理講習会で徹底


 悪天候が続く岩手県では93年の大冷害と重ね、「傾向が似ている」と農家から不安の声が上がる。JAは冷害に備えるための栽培講習会を開き、注意を呼び掛ける。

 JAいわて花巻の米穀担当者は「田植え時は良い天候だったが、6月中旬以降は晴れが少なく悪天候。特に夜間は15度以下の日も続いた。93年の大冷害時と似ている」と懸念する。

 花巻市で150ヘクタールの水稲を手掛ける農事組合法人・なべくらの高橋春雄代表は水管理を徹底して冷害に備える。気温17度以下の場合、15センチの深水にし、入水は夜間から早朝にして水温低下を最小限にとどめる。

 26年前、花巻市では米「ササニシキ」がメインだったが、大冷害を機に「ひとめぼれ」に切り替えた。現在は低温に強く倒伏しにくい「銀河のしずく」も増やしている。高橋さんは「低温に強い品種に切り替えてきたものの今後が心配。26年前の無念な結果を繰り返さないよう、深水管理を徹底したい」と話す。

 農研機構東北農業研究センターは稲の管理について「出穂期に低温になることが分かれば、深水管理の徹底を農家に呼び掛けていく」と話す。一方、気象庁は6月19日から提供を始めた2週間気温予報や週間天気予報などを注視するよう求めている。
 

低温 “93年級”可能性は低く


 93年はエルニーニョは発生していないが、チベット高気圧や太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱くなるという状況は今年も同じだという。同年はこれに冷たいオホーツク海高気圧が居座ったため、やませが吹き、北日本を中心に記録的な冷夏となった。

 27日に同庁が発表した1カ月予報では、7月初めのオホーツク海からの冷たい空気の流れ込みが弱まることが予想され、東北の南の方では寒気の影響が弱まると考えられる。しかし、オホーツク海高気圧が発生しやすい状況は依然として続いており、北海道を中心に低温への警戒が必要だ。

 同庁によると93年との大きな違いは、地球温暖化が進んだことだという。気温が相対的に上がっているため、冷夏になったとしても「記録的な低温になる可能性は当時に比べれば、大きくはない」(同庁)とみる。 
 

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