[あんぐる] 浪速発「野菜でっせ」 オカワカメ“増殖中”(大阪府東大阪市)

収穫時期を迎えた小林さん(右)のオカワカメ畑。ハート形の葉は10月まで何度も収穫できる(大阪府東大阪市で)

 町工場の密度が全国1位の市街地に農地が点在する大阪府東大阪市で、ツルムラサキ科の新野菜オカワカメが“増殖中”だ。JAグリーン大阪が、狭い都市農地に向く作物として3年前から普及。「海のない東大阪でワカメがとれる」をキャッチフレーズに、早くも特産物に育った。

 露地物の収穫が盛りとなった6月下旬、JAの前組合長、小林茂一さん(68)の畑では、支柱に張ったネット一面につるが絡み、ハート形の葉が茂っていた。

 オカワカメは主に葉を食べる。筋が少なく、ゆでるとぬめりが出てワカメのようになる。小林さんは葉を手で摘み、「雨の日が続いたので良い葉が多い」と出来栄えを喜んでいた。

 オカワカメは都市農業にマッチした特徴が多い。露地栽培の場合は5月から10月、ハウスなら10月以降も繰り返し葉を摘めるため、狭い畑で効率的に生産できる。さらに作付けから収穫まで軽作業で済み、ほとんど害虫がいないため無農薬栽培もしやすい。JA営農経済部の西川和洋部長は「女性や定年帰農者でも、小さな農地でしっかり収益が出せる」と太鼓判を押す。

 特産化のきっかけは、2011年にオカワカメを偶然知った小林さんが「JA自己改革で目指す農地の維持や農業所得の向上に最適では」と考えたことだった。試作を経て16年に普及に入り、農家6人が育て始めた。
 
JAグリーン大阪が昨年制作したオカワカメのキャラクター「わか子ちゃん」。直売所の店頭を大きく飾る

 18年からはJAが農家に苗を無償で提供。さらに主な販路のJA直売所で豊富な栄養素などをPRし、来店客から「味に癖がない」「どんな料理にも相性が良い」といった評価ももらった。生産は急増し、今年度は管内の八尾市の一部を含め40人で約3トンを出荷する計画だ。

 昨年にはオカワカメをイメージしたJAのキャラクター「わか子ちゃん」も誕生。既にJAの“顔”になった。西川部長は「育てやすく、農業入門にも向く。これを起爆剤に地域農業を盛り上げたい」と話す。(染谷臨太郎)

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