農産物輸出伸び悩み 1~5月3%増 年内1兆円“黄信号”

 2019年の農林水産物・食品の輸出額が伸び悩んでいる。財務省の貿易統計(速報値)を基に日本農業新聞が調べたところ、1~5月の輸出額は3623億円で前年同期比3%増にとどまった。政府目標の年間1兆円達成には前年実績から1割以上の伸びが必要だが、ペースは鈍い。現地需要が減った果実や花き、不漁が響いた水産物などが落ち込んだ。目標達成に向け、盛り返しが必要だ。

 1~5月の農林水産物・食品輸出額は前年同期から3%(90億円)増えたが、18年同期の伸び率15%に比べ12ポイント縮小した。今年は1月が前年同月比8%減、5月が7%減となったことが響いた。

 品目別で落ち込みが大きかったのが果実(生鮮・乾燥)で、77億円と前年同期を11%下回った。前年同期は好調で45%の伸び率だった。主力のリンゴが11%減の52億円。輸出先1位の台湾が26%減の29億円。主産地の青森県によると、台湾の春節時期が昨年より2週間ほど早く、「贈答向け販売が伸び悩んだ」(国際経済課)という。イチゴは19%減の15億円。

 花きは25%減の62億円だった。9割を占める植木、盆栽類が52億円と29%減った。国別では、ベトナムが81%減の5億円と大きく落ち込んだ。同国向けは大半が中国へ転送されるが、「中国での検疫の影響で需要が減った」と全国花き輸出拡大協議会。

 水産物も軒並み前年割れとなった。品目別で最大のサバは31%減の120億円と落ち込んだ。

 主要品目は伸びた。牛肉は22%増の109億円。カンボジアが75%増の27億円と、数量、金額で共に輸出先1位となった。香港は39%増の21億円だった。日本酒は17%増の101億円だった。

 18年の輸出額は9068億円。政府が19年に掲げる1兆円目標の達成には、18年実績から10%以上の伸びが必要だ。今年は6~12月の7カ月間で、前年同期を16%上回る約6400億円の達成が求められる。1カ月当たりで換算すると約915億円。前年から大きな伸びが必要だ。 
 

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