豚コレラ拡大続く 愛知県長久手市で国内30例目 殺処分 計12万頭超

 豚コレラの発生が拡大している。愛知県で8日、長久手市の養豚場で疑似患畜が確認され、国内の飼養施設で30例目となった。7日には福井県で野生イノシシの感染を初めて確認。ウイルスは隣接県に広がり、終息への道は不透明だ。昨年9月の岐阜県の発生から9日で10カ月。農水省は、岐阜、愛知両県に隣接する7県にも経口ワクチン設置などの支援策を講じるなど対応を急いでいる。
 
 8日現在、5府県での殺処分頭数は合計で12万頭超となっている。

 愛知県では発生地域が拡大している。6月29日に西尾市で初めて発生した。7月8日に確認された長久手市も初めてで、養豚場から半径3キロ圏内に、県が長年改良を続けてきた系統豚「アイリス」の種豚を維持している県農業総合試験場畜産研究部の農場がある。県はウイルスの侵入防止に警戒を強めている。

 長久手市の発生農場と経営者が同じ瀬戸市の農場からも陽性反応があり、殺処分の対象とした。この農場は、同省が豚舎の防疫対策と経営の早期再開に対応した早期出荷対象の2農場のうち1農場だった。

 飼養施設での発生の多くは、近くで陽性イノシシが見つかっている。陽性イノシシは岐阜、愛知県内で広がり、両県で700頭を超えた。6月26日に三重県、7月7日に福井県で初確認した。

 同省は、三重県での確認を受け、2日に経口ワクチンの設置を支援する範囲を岐阜、愛知以外にも拡大した。隣接する富山、石川、福井、長野、静岡、三重、滋賀が対象。ワクチンの購入と保管、散布と回収作業の費用を定額で支援する他、イノシシ捕獲のためのわな購入費、検査費なども助成する。

 今回の豚コレラは、感染から症状の発生までの潜伏期間が長く、症状も見分けにくいため対策に困難を極めている。農場では昨年9月の発生以降、10月と1月末に全ての制限区域が一度解除されたが、いずれも再発。特に野生のイノシシがウイルスを持ったまま移動し、広範囲に拡散していることが終息を妨げる。 

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