扱いづらい山芋 「やまん」活用 沖縄そば開発 だしは野菜、昆布 県立中部農林高の生徒有志

高校生が開発した「オキベジそば」。食堂では野菜の天ぷらをトッピングして提供する(沖縄県うるま市で)

 沖縄県立中部農林高校の有志8人は、菜食主義者向けの沖縄そば「オキベジそば」を開発した。麺に伝統野菜「やまん(山芋)」と島ラッキョウを練り込み、スープは数種類の野菜と昆布、シイタケのだしをブレンド。観光客が多い土地柄、インバウンド(訪日外国人)需要を狙う。週3回、同県うるま市の食堂が1杯500円で提供する。
 

菜食主義者に狙い


 きっかけは地元農家からの相談だった。伝統野菜の「やまん」は大きさが50センチほどあり、形もいびつ。皮をむくとすぐ白から茶色に変色し、保存も効かない。使い勝手が悪く、県外産の山芋が1キロ8000円以上するのに対し、やまんは1キロ200円だった。

 「1回で使い切れる商品に加工できれば……」。農家の山城長順さんのつぶやきに、同校の有志が協力を名乗り出た。8人はすりおろして使うのが最適と考え、ご当地料理・沖縄そばに注目。他商品との違いを強調するため、動物性食材をカットすることを決めた。観光で県内を訪れる外国人に菜食主義者の人が一定数いると感じていたからだ。

 課題だったのは変色。製麺すると見栄えが落ちてしまう。原因を調べるとポリフェノール酸化酵素の作用だった。そこで酸化防止成分を含む島ラッキョウを麺に練り込むことで変色を防ぐことに成功。さらに、島ラッキョウの葉を使うことで薄い緑色の個性的な麺が完成した。

 スープにもこだわった。一般的な沖縄そばは、だしにカツオや豚骨を使う。今回はタマネギやニンジン、シイタケや昆布でスープを仕上げた。麺とスープは毎週メンバーが校内で作り、食堂がある福祉事業所「ぶどうの木」に届ける。

 3年の山城姫乃さんは「すりおろしたやまんを練り込んだことで、食感はつるつる。あっさりしたスープは地域の人にも人気がある」とアピールする。

 予想外のやまん活用法に市や農家も驚く。早速、市が特産品に認定するなど後押しする動きが出てきた。外国人観光客の増加もあり、食の多様化の一環で菜食主義者対応が広がりつつある。

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