低温続き…晴れぬ心中 日照不足も深刻

水稲の生育状況を確認する県職員(10日、宮城県蔵王町で)

全国的に低温続く 作物管理対策を 


 気象庁は、東北太平洋側、関東甲信、四国、九州で気温の低い状態が20日ごろまで続くとして、農作物の管理に注意を呼び掛けている。夏の暑さをもたらす太平洋高気圧の張り出しが弱く、オホーツク海高気圧が張り出しやすい状態のため。産地は管理対策に乗り出している。

 同庁によると、寒気をもたらすオホーツク海高気圧の影響で、東北から関東では冷たく湿った気流(やませ)の影響を受け、低温になりやすい状態が続く。西日本では梅雨前線の影響による曇天や雨が続き気温が上がらず、全国的に低温傾向となる見通しだ。

 日照時間は、関東甲信などで7月上旬としては極端に少ない傾向となっている。降水量は、東日本と西日本の太平洋側、沖縄・奄美で多い。一方、中国地方、九州北部は少なく渇水傾向だ。

 同庁は10日、異常気象をもたらすとされるエルニーニョ現象が終息したと発表。しかし「全国的に天候がぐずつく状態が続くため、農作物の管理に気を付けてほしい」と呼び掛ける。

 

水稲 深水で管理 麦 収穫遅れ気味 東北・関東 



 東北や関東で低温、日照不足による農作物への影響を懸念する声が上がる。東北では水稲の冷害に備えるための対策を進める。7月は北日本に寒気をもたらすオホーツク高気圧の発生が続き、今後も低温傾向が続く見込みだ。夏らしい夏は来るのだろうか。天候とのにらめっこが続く。

 気象庁が8日に発表した宮城県の低温・日照不足の気象情報を受け、県米づくり推進大河原地方本部は10日、緊急対策会議を開いた。JAみやぎ仙南や土地改良区などが参加。同本部によると同県の7月の日照時間は平年の47%と少なく、県は深水管理の徹底を呼び掛けた。

 同日、水稲の生育調査を行い、最も低温に弱い時期である減数分裂期に1週間ほどで突入すると見通した。そのため中干しを中止し、水深10センチ程度まで入水するように注意喚起をした。

 23ヘクタールを手掛けるJAみやぎ仙南の村上輝明水稲部会長は「朝晩が冷え込み、しばらく太陽を見ていない。1日から中干しをしているが一向に水田が乾かず、根腐れや収穫時の倒伏が心配だ」と表情を曇らせる。

 一方、福島県でも低温注意報が出た。JA会津よつばは深水管理と、いもち病対策のちらしを作成し、組合員に呼び掛ける。いもち病は気温20~25度で曇りや雨が好適となる。米穀課の渡部浩課長は「例年よりも発生しやすい環境が続いている。水田の見回り、早期防除を徹底してほしい」と説明する。

 栃木県鹿沼市では、6月28日~7月7日の日照時間が2時間で、平年のわずか6%にとどまっている。

 同市で主食用米や麦などを約70ヘクタールで栽培する農業生産法人ワタナベの代表、渡邉宏幸さん(48)は、今後の日照と気温に気をもむ。渡邉さんは「今のところ影響はないが、穂が出た後に今の天候が続くとなると、生育が心配だ」と話す。

 この他、麦の収穫期間が長引いており、他の作物の作業にも影響が出ている。例年は6月中に終わるハトムギの種まきも麦の収穫に人員を割かれたり雨でできなかったりで、まだ終わっていないという。
 

一部地域は雨量少なく


 一方、北海道内は日照が多く気温も高い傾向で全般的に農作物の生育が早く進んでいる。ただ、一部の地域では平年より降水量が少なく、豆類を中心に生育のばらつきや遅れなどが発生している。

 空知地方のJAながぬま管内では、種まき後の雨が少なかったり、粘土質が強い一部の畑の大豆が、順調な大豆と比べて1カ月ほど生育差があると指摘。JAは「同じ町内でも生育や降水量の差が大きい。今後の天候次第だが、収量や品質の影響が心配だ」と懸念を示す。

 水田地帯にある空知総合振興局管内では、5、6月の降水量が平年の8割ほどで、地域によってさらに少ないところがあったという。

 中国地方では梅雨入り後も雨が少なく、乾燥傾向が続く。JA広島中央によると、川やため池には水があり、大きな被害は出ていないという。JAの佐々木正文専門営農指導員は「心配なのは今後、曇天続きや集中豪雨、台風などによる稲や野菜の病害。天候を注視していきたい」としている。
 

今後2週間、気温上がらず 北・東日本太平洋側


 気象庁によると、過去30日の気温は平年に比べて関東甲信や東北、中国、九州地方を中心に全国的に低い。一方、北海道では太平洋側などで平年よりやや高い。過去30日の日照時間は九州北部や中国地方で平年に比べて多く、渇水傾向にある。北・東日本太平洋側では、6月28日から日照時間が少ない状態となっている。

 北・東日本太平洋側では今後2週間程度は平年に比べ気温の低い状態が続く見通しで、同庁は農作物の管理に厳重な警戒を促している。気象庁の予報では8月5日まで太平洋側を中心に全国的に気温が低く、降水量は北海道以外で多くなる見通しで、九州北部や中国地方の渇水は解消に向かう。太平洋側を中心に日照時間も平年に比べて少ない傾向となる見通しだ。 
 

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