[2019参院選] 公示1週間 東北1人区争奪戦

 参院選は10日、公示から1週間が経過した。与野党とも東北の「1人区」を重視し、選挙戦の序盤以降、党首らが続々と現地入り。前回2016年の参院選で、自民党は東北で負け越しており、議席の確保に執念を燃やす。野党は統一候補を擁立し、前回に続く躍進を狙う。農業地帯だけに、各党は農家の所得向上策などを訴え、支持拡大に躍起だ。21日の投開票日へ、後半戦も東北での対決構図は激しくなりそうだ。
 

与党 所得増 成果を強調


 自民党は全国に32ある改選1人区のうち、半数の16を激戦区に指定。4日の公示日以降、東北や信越などの農業地帯に、二階俊博幹事長や小泉進次郎厚生労働部会長ら党幹部や閣僚を連日投入している。

 安倍晋三首相は10日、山形県入りし、酒田市、鶴岡市、東根市の街頭で演説した。酒田市の商店街では、果物店前で特産の「庄内メロン」を試食し「こんなに甘いメロンは食べたことがない。毎日食べたいぐらい」と持ち上げた。生産農業所得の向上や農産物輸出の拡大を成果として強調し、「大切なことは、しっかりと農家の手取りにつながっていくことだ」と訴えた。

 前日の9日には、首相官邸の指示で農水省が山形、新潟両県の地震復興に向けた農業支援策を発表した。さらに首相は酒田市での演説冒頭で、宿泊のキャンセルなどが相次ぐ観光業に対し、政府として来週から山形県を訪れる観光客に1人当たり3000円を割り引きする風評被害対策をアピールするなど、てこ入れに躍起だ。

 公明党の山口那津男代表は公示後、党公認候補が出馬している都市部を中心に遊説している。後半は東北などにも入る見通しだ。
 

野党 政権批判 打倒訴え


 野党は今週から党首級の東北入りが本格化。国民民主党の玉木雄一郎代表は10日、公示後初めて福島県に入り「地方や農業の声が届かなくなっている。こんな政治を変えていくのが今回の参院選だ」と政治転換を訴えた。

 南相馬市や川俣町、飯舘村で演説を重ねた玉木氏は、日米貿易協定交渉を巡る政府の対応を問題視。トランプ米大統領が8月に成果を発表できると発言したことを挙げて「密約があるに決まっている。うそをついたり隠したりする政治をやめよう」と呼び掛けた。

 安倍政権による米の生産調整見直しによって「今年は米農家の所得が大幅に減少する恐れがある」とも指摘。戸別所得補償制度を軸に「農村を守る農業を東北で訴えたい」と後半戦でも東北を重視する構えを見せた。

 共産党の志位和夫委員長、社民党の吉川元幹事長は9日に岩手県入り。同県は国民民主党の小沢一郎氏が強固な地盤を持つ。同氏と共に擁立した新人候補の支持を訴えた。志位委員長は同日に仙台市、福島県郡山市も回り、野党共闘による安倍政権の打倒を訴えた。

 立憲民主党の枝野幸男代表は公示後、関東や西日本などで遊説を重ねてきた。11日に青森、福島両県で演説を予定。野党が1人区の全てで候補者を一本化した中、野党第1党の党首として、鍵を握る東北で選挙戦を優位に持ち込むため後半戦に勝負を懸ける。

 日本維新の会の松井一郎代表は今後、候補者の選挙区や比例候補者の地元以外の地域への遊説を本格化させる見通しだ。
 

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは