この二文字が浮かぶと暑中見舞いを書かねばと思い立つ

 この二文字が浮かぶと暑中見舞いを書かねばと思い立つ。きょうは二十四節気「大暑」である▼人からの便りで「ご自愛ください」の言葉に、不養生な日々を省みる。暑中見舞いは涼しげな図案が多い。鮮やかな水彩の絵手紙は威力発揮の時でもあろう。スイカの絵も定番だが、「表情豊かにお出迎え」の見出しで14日付本紙にJA鳥取中央直売所のカラー写真付き記事が目についた▼目と口のシールを貼ったスイカがずらり並ぶ。すると愛らしく多彩な“表情”が出来上がる。販促資材の一つで、一工夫のアイデアが子どもたちに人気を呼び贈答用に注文が多いという。管内は全国屈指のスイカ産地として知られる▼あすは「ただぼんやりした不安」の言葉を残し夭折(ようせつ)した芥川龍之介の命日「河童(かっぱ)忌」。彼は「大暑」を絡め〈兎(うさぎ)も片耳垂るる大暑かな〉と有名な句を詠む。夏目漱石が激賞した天才作家は、この句に典型な繊細な観察眼を持つ。学校の先輩でもあった久保田万太郎は〈芥川龍之介佛大暑かな〉と句で追悼した。こうして「大暑」と芥川は結び付いた▼参院選は改憲も掲げた安倍首相の勝利に。〈重大に扱わなければ危険である〉。人生を一箱のマッチに例えた芥川のこの警句を思い出す。「大暑」が大やけどにならなければいいが。

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは