ワクチン是非検討へ 豚コレラ拡大で政府・自民党

 政府・自民党は30日、豚コレラの感染拡大に伴う飼養豚へのワクチン接種の是非について、本格的な検討に入る方針を固めた。発生県の増加を受けた対応。接種地域の範囲や合意形成、接種した豚の流通制限といった課題を見極め、接種に踏み切るかどうかを慎重に判断する。

 関係者によると政府・自民党は、仮にワクチンを使うと判断した場合も地域限定での接種を軸に想定する。接種地域以外は、国際獣疫事務局(OIE)の「清浄地域」として認められる可能性があるためとみられる。

 だが農水省は、地域限定の接種でも①地域全体への面的な接種②接種した豚や豚肉、肉製品の接種地域外への移動・出荷の制限──が必要とみる。ウイルスから感染した豚とワクチン接種豚の区別はできない上、ワクチンで全ての豚に十分な免疫が付くとは限らず、接種地域外に流通させれば感染を拡大する恐れがあるためだ。

 こうした事情から、接種には範囲の特定や関係者の合意形成に加え、流通制限の実効性確保などが前提となる。風評被害の恐れや接種費用、要員など具体的手法も詰める必要がある。自民党農林幹部は週内に、課題について政府や養豚関係者らから聴取。接種の是非で検討を本格化させる。
 

北陸に拡大 福井で殺処分 


 養豚場での豚コレラの発生拡大に歯止めがかからない。29日には、岐阜、愛知、三重に続き福井県でも確認。30日に同県越前市の発生農場で殺処分が行われた。

 福井県によると、28日に発生農場から「豚1頭が死んでいる」と通報があり、県が死亡豚とその農場で飼う14頭を簡易検査したところ8頭で豚コレラの陽性反応が出た。29日に国の研究機関が遺伝子検査し感染を確認。福井県での発生は初で、国内で34例目。同県では5日以降、野生イノシシ7頭で豚コレラ感染が見つかっていた。

 県は29日、杉本達治知事を本部長とする県対策本部を設置。県やJA職員ら延べ180人が同日午後8時から防疫措置や発生農場の309頭の殺処分を始め、30日午前までに284頭を殺処分した。遅くとも8月1日までに敷地内の埋却、農場の消毒を終える予定だ。

 近くの1農場は移動制限区域に設定され、出荷を禁止。ネズミによる感染を防ぐため発生農場では豚の殺処分前に殺鼠(さっそ)剤をまいた他、近くの1農場周辺に忌避剤を散布した。発生農場周辺では消毒ポイントを4カ所設け、出入りする車両の消毒をしている。

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