[あんぐる] 良い笑顔 良い食から あすなろ会の食育紙芝居(千葉県佐倉市)

隣町の児童養護施設で自作した紙芝居を上演する「あすなろ会」のメンバー。米作りの歴史などを分かりやすく伝える(千葉県酒々井町で)

 紙芝居など手製の教材で子どもに農業の魅力を伝える女性農業者グループが、各地で活躍している。千葉県佐倉市の「あすなろ会」は、米作りの紙芝居や郷土の食を教えるかるたを自作。次世代の子どもに地元農業の素晴らしさを伝えている。

 「カレーライスが好き?」「はーい!」

 7月下旬、同県酒々井町にある児童養護施設に招かれた同会のメンバーが、自作の紙芝居「ぼくはお米」を上演した。

 冒頭で米料理が好きかを尋ね、元気な返事をもらうのが定番。集まった40人の子どもたちは、一気に物語の世界へ引き込まれた。

 主役は米粒のキャラクター「お米のコメ太」。かわいらしい12枚の絵で、3000年以上前に始まった米作りの歴史や、稲作を中心とした国の成り立ち、祭事、水を確保するための森林整備の大切さなどを15分ほどで分かりやすく教える。

 田んぼの生き物を紹介するくだりではクイズも出題。昔はザリガニやドジョウを食べたというメンバーの話に、子どもたちは驚いていた。

 演者の一人、稲作農家の清宮直子さん(49)は「どんな子どもにも食事は楽しいと伝えたい。そこから食材や農業への興味が生まれるはず」と期待している。

 
3年かけて制作した食育かるた。地域の農産物の特徴や食の大切さを楽しみながら学べる(千葉県酒々井町で)

 東京に近い同市は都市化が進む一方、今でも稲作などが盛ん。同会は2006年に市内の女性農業者らが結成し、前身の生活改善グループの活動を下敷きに、農業体験などに取り組んできた。

 近年、力を入れるのが独自の教材による次世代向けの食育だ。「短時間で誰でも楽しく学べるように」と、地元農産物の特長を盛り込んだ食育かるたを3年かけて作り、16年に市内の全小中学校34校へ配布。続く第2弾として米の物語を考え、18年に紙芝居を完成させた。絵はメンバーの農場の元研修生が描いた。

 会長の菅野利恵さん(50)は「かるたも紙芝居も、ぼろぼろになるぐらい使い込んで食や農業の大切さを伝えたい」と力を込める。(染谷臨太郎)


 「あんぐる」の写真(全5枚)は日本農業新聞の紙面とデータベースでご覧になれます

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