食料自給37%最低に 18年度 米凶作93年度と並ぶ

 農水省は6日、2018年度の食料自給率がカロリーベースで37%と前年度から1ポイント下がり、過去最低となったことを明らかにした。小麦、大豆の主産地である北海道が天候不順で生産が大幅に減ったことに加え、両品目や畜産物などの生産が全国で増えていないことが要因。生産基盤の弱体化に歯止めがかからず、食料安全保障の確立には程遠い現状が浮き彫りになった。

 食料自給率は、国内の食料消費を国内の食料生産で、どの程度賄えるかを示す指標。37%は、冷夏で米が大凶作に見舞われた1993年度と並び、記録がある60年度以来、過去最低の数値だ。小数点以下を含めると18年度は37・33%で、93年度の37・37%を下回る。生産額ベースの自給率は66%。過去2番目に低かった前年度と同じだった。

 カロリーベースの低下要因について同省は、北海道の天候不順による不作を挙げた。18年度の小麦生産量は前年度比16%減、大豆が17%減で「面積当たり収量が近年にない低水準となり、生産が大きく減少した」(大臣官房)と説明する。

 牛肉や乳製品の輸入増加も要因に挙げ、国内生産の増加を上回って輸入が増えたとした。環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の影響は、発効から2、3カ月のため、今回の自給率への影響には否定的な見方を示した。

 中長期的に見て自給率は09年度以降、下がり続けている。引き下げ要因になった品目のうち、小麦の生産量は77万トン、大豆は21万トンと最近5年間で最も少ない。牛肉は48万トンで、15年度に50万トンを割り込んで以来、40万トン台が続く。

 また、食料の潜在生産能力を試算する「食料自給力」の指標も示した。栄養バランスを考慮して米、小麦、大豆中心に作付けする場合、1人1日当たりに供給できるのは1429キロカロリーと、前年度から5キロカロリー減少した。農地面積の減少や面積当たりの生産量の伸び悩みで、低下傾向で推移している。
 

[解説] 生産基盤の再建急務


 食料自給率が過去最低に落ち込んだ背景にあるのは、生産基盤の弱体化だ。自給率目標を示す新たな食料・農業・農村基本計画で、食料安全保障を担保する展望を示すことができるか。政府は重い課題を突き付けられている。

 現行のカロリーベース目標は、現実的な目標とするため、以前の50%から45%に引き下げた。だが、自給率が上向く兆しは見えず、目標との隔たりは広がるばかりだ。最後に45%を上回ったのは、1994年度。その後も40%前後で長く推移したが、大きく上昇した年はなく、近年は再び下降局面に入った。

 現在は小麦や大豆、畜産物の自給率の低さが目立っているが、人と農地の基盤の縮小に歯止めをかけなければ、中長期的には、他の品目の安定供給も危うくなる。

 農水省によると、直近の農業経営体数は約119万件で5年間で2割減った。法人化や農地集積は進むが、大半を占める家族経営体の離農を補うには至っていない。顕在化する生産基盤の弱体化に歯止めをかけて、自給率を引き上げ、食料安全保障を確立するための具体策が求められている。 
 

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