労力支援延べ2万人 18年度3割増 福岡、佐賀へ拡大 広域連携さらに 全農おおいた

菅原さん(左)のハウスで作業する労働力支援事業の作業者(大分県宇佐市安心院町で)

 全農おおいたは農作業受託会社「菜果野(なかや)アグリ」(大分市)と連携し、野菜や果実の収穫、選別を中心に幅広く作業を請け負う。作業者の多くはアルバイト。県内で人口が多い大分市や別府市などで募集し、農家やJA選果場に送迎して作業に当たる。

 年間を通じて作業者をつなぎ留めるため、県内でキャベツの周年栽培体系を整え、一定の作業量を用意する。習熟度の底上げやリーダー格の作業者の増加にもつながり、受託できる作業量も増えた。18年10月には、同社が県北西部の日田市にも営業所を開設した。

 「人手確保が難しい中、計画通りに作業が進められる」と宇佐市安心院町で米麦やジャガイモ、花苗など約130ヘクタールを経営する「フラワーうさ」の菅原維範さん(72)。品目を問わず、従業員だけでは手が足りない時に利用し、経営規模の維持に欠かせないという。

 作業者2万人超には、福岡、佐賀の両県で支援した人数も含む。全農おおいたは18年9月、JA全農ふくれんやJAさがと連携し、北部九州労働力支援協議会を設立。農繁期が異なることから、県域をまたいで人手を融通し合えるようにした。

 福岡県築上町の吉田俊明さん(54)は今春、タカナの収穫やスイートコーンの種まきに利用した。作業者は5人前後のチームで、大分市から車で約1時間半かけて移動。交通費もかかったが「地域内で人手確保が難しくなっているので、また利用したい」と話す。

 福岡県での18年度の作業従事者数は2850人だった。大分からの支援が多いが、18年4月には福岡市に菜果野アグリ福岡が設立され、県内でも作業者を募集する。19年4月には佐賀県大町町に同社の佐賀営業所が開設され、3県で支援し合う体制が整いつつある。3県ともJAを通じて依頼を受け、県をまたぐ場合は菜果野が調整する。

 同協議会を軸に、九州全域と山口県を1ブロックにした広域連携も検討が始まっている。複数県に作業者を送り込める拠点配置を構想する。

 全農おおいたの花木正夫営農対策課長は「外国人材やスマート農業だけでなく、労働力支援を含めたあらゆる施策で補わなければ、農村の人口減少のスピードや規模には追い付かない。作業者確保には近県で助け合うのが効率的なため、広域連携を急ぎたい」と話す。 
 
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