全組合員調査 准組規制反対が明確に

 JA全中がJAグループの全組合員調査の中間集計結果を公表した。JAの自己改革について回答者の8割が前向きに評価。①准組合員の事業利用制限はしない方がよい②総合事業は継続すべきだ──との回答がそれぞれ9割を占めた。政府・与党はこうした組合員の声を重く受け止めるべきだ。

 全組合員調査は、原則全ての組合員を対象に、昨年12月~今年12月を基本に実施。自己改革の評価の把握と、組合員との関係強化を狙いにする。5月末時点で、調査対象は約481万人。回答を得られた46都道府県476JAの約319万人分をまとめた。

 意向調査としては異例の規模の大きさで、相当数の組合員の声を反映しているといえる。調査は今後も続け、来年5月ごろに最終結果をまとめる。

 自己改革への前向きな評価は8割に上った。正組合員に対し、営農指導事業について3年前と比較した改善度を聞いたところ「もともと良い」が24%、「改善した」が20%、「改善しつつある」が40%。販売、購買事業も同様に8割が評価した。自己改革は、組合員から一定の評価を得た。一方で各事業について、期待度と満足度にギャップもあることから、自己改革を継続する必要性も改めて示されたといえる。

 改正農協法では、2021年3月まで准組合員の事業利用状況や改革の実施状況を政府が調査し、准組合員の事業利用規制の在り方を検討するとしている。一方、与党は7月の参院選公約で、規制の在り方について、組合員の判断や意向に基づくものとするとした。吉川貴盛農相も同様の考え方を示している。

 今回の調査では、組合員の89%が准組合員の事業利用を制限しない方がよいと答えた。組合員は規制を望んでいないことが明確になったといえ、政府・与党は重要な検討材料とすべきだ。

 総合事業についても、継続すべきだとの声が91%を占めた。全中が公表したJAの信用事業の在り方検討の結果では、信用事業を営む613JAのうち、信用事業の代理店化を選択したのは5だった。組合員のニーズを踏まえ、総合事業を選択しているとみられる。

 一方で、JAは調査を今後に生かすことが重要だ。第一に、調査結果を分析し、活用することだ。全国平均と比べれば、自らのJAの課題や特徴、組合員のニーズが把握できるだろう。

 第二に、組合員との対話強化につなげることが求められる。調査は原則JA役職員が組合員宅などに出向き、対面形式で行っている。こうした正・准組合員への訪問を一度に終わらせてはいけない。全戸訪問を毎月続けるJAや、担い手農家を役員が定期訪問するJAもある。自己改革継続のためにも、その起点となる組合員の声を継続的に把握できる対話の機会を確保していくことが必要だ。
 

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