畳職人×ラッパー イ草の未来切り開く 音楽でPR、産地と6次化も

「畳業界を盛り上げたい」と力を込める徳田さん(福岡県朝倉市で)

 創業約100年の歴史を持つ徳田畳襖店(福岡県朝倉市)の4代目、徳田直弘さん(28)は、畳をテーマとした音楽活動で「畳屋ラッパー」として注目される異色の職人だ。7月には、食用イ草を使った「畳あめ」を商品化。さらに第2弾の商品開発や「畳万博」の開催も検討し、活動は国内外に広がる。「衰退化する畳業界やイ草の産地を盛り上げ、畳の魅力を世界に発信していきたい」と張り切っている。

 徳田さんは高校卒業後、大手半導体関連メーカーに就職。しかし、高校時代に出合った音楽活動への夢に挑戦するために1年で退職した。

 派遣社員として勤務しながら、福岡市内のボーカルスクールへ。音楽活動の壁にぶつかっていた時、「家業である畳店の跡を継ぎ、歌う畳職人になって、畳業界を盛り上げるために音楽活動を続けてみては」という恩師の助言に背中を押され、21歳で家業を継いだ。

 以来、「愛され畳」をはじめオリジナル曲を作詞・作曲し、ライブや地域のイベントで披露したところ大盛況。「畳屋ラッパー」と親しまれ、2016年にはCDデビューも果たした。

 平日は畳やふすま、障子の新調や表替えなど本業に精を出す傍ら、週末は音楽活動の他、イ草産地を訪問し生産者と交流。昨年は渡仏しデザイナーへ畳の魅力をPRし、エッフェル塔やミシュラン星付きレストランで即席ライブも開いた。

 吉本興業ホールディングスの関連会社yySAが福岡市で開いたエンタメオーディションを機に、今年5月からはよしもと「住みます芸人」としての活動も始めた。

 「住みます芸人」として、「畳文化存続に向けたイグサ農家V字回復事業」に挑む。その第1弾として、同社福岡支部や県内の食品メーカーと連携し、食物繊維を豊富に含む食用イ草を使った無添加・無着色の「畳あめ」を商品化。同社や自分の店をはじめ、インターネットの通販などで1袋300円(税別)で販売している。

 今後は、ステージも観客席も畳敷きで、食用イ草を使ったマルシェなどを開くイベント「畳万博」の開催も検討中だ。徳田さんは「超高齢化社会の到来や和の文化への憧れなどで、再び畳に注目が集まっている。今後も若い力でイ草の産地や畳業界を盛り上げていきたい」と力を込める。
 

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