試験場で豚コレラ 国内35、36例目 豊田市の農場でも 愛知県

 愛知県は9日、長久手市の県農業総合試験場で豚コレラが発生したと発表した。同日は豊田市の養豚場でも発生を確認し、昨年9月以降の豚コレラでは国内35、36例目で、1例目の発生から11カ月。防疫を指導する要の試験場が厳戒態勢を敷いている中での発生は、関係者に大きな衝撃を与えている。

 同県内の発生は1カ月ぶり。試験場の感染は、7月8日に長久手市内の農場での発生に伴って設定した移動制限を解除するため、異常がないかを確認中に判明した。同試験場の敷地内では7月22日にウイルス陽性の野生イノシシが見つかっている。

 9日に記者団に大村秀章県知事は「ブランド豚を造成している心臓部分、本拠地で発生してしまった。ざんきに堪えない。養豚農家や畜産、農業関係の皆さまには大変申し訳なく、心からおわび申し上げる」と述べ、悔しさをにじませた。その上で「最高レベルの防疫態勢を敷いてきた。想定していない感染経路がないか、専門家に解明してもらい、対策を組んでいきたい」とした。

 同試験場は707頭の豚を飼育し、2022年に完成予定の新しい系統豚を開発中だった。7月下旬に凍結受精卵を名古屋大学に移管しており、絶えることは避けられたが「2年ほど完成が遅れる」とした。

 県内の養豚農家に衝撃が走った。西尾市で母豚400頭規模で経営する山本孝徳さん(51)は「行政の高いレベルの防疫でも懸命の努力が報われないなら、普通の農家はどう乗り切れば良いか。県や国はどう動くのか注目していく」と話した。

 県の施設では岐阜県畜産研究所で昨年12月に発生している。

 35例目の愛知県豊田市の養豚場は、307頭を飼養。8日に異常を報告し、県の検査で疑似患畜と判明した。陽性の野生イノシシ確認地点から10キロ以内の監視対象農場だった。

 県内では今回の発生がなければ、8月10日に全ての制限区域がなくなる予定だった。現在まん延しているウイルスは、感染から発症までの期間が長い特徴があり、岐阜県内でも制限全解除前後での発生が繰り返されている状況だ。 

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