山登りはよく人生に例えられる

 山登りはよく人生に例えられる。いくつもの坂道を一歩一歩進むところが、重なるのだろう▼きょうは「山の日」。登山家で冒険家の植村直己さんは、生前、こんな言葉を残した。「たとえどんな山であろうと、自分で計画し、準備し、自分の足で登山する。その過程が苦しければ苦しいだけ、それを克服して登りきった喜びは大きい」(『青春を山に賭けて』)。すさまじい克己心が伝わる▼気楽さを味わうのもある。シンガー・ソングライターのみなみらんぼうさんは、「コースを楽しみ、景色や花に足を止め、山小屋での語らいや、山頂での“一杯”を心待ちにして登る」。一番いい山はどこかと聞かれれば、「チャプリンと同じように『次に登る山さ』と答える」という。著書の『一歩二歩山歩』(中央公論新社)にある。ちょっときざだが、マイペースのスタイルである▼中高年者の登山ブームが続き、還暦を超えた山岳遭難者が増える。警察庁が先日公表したまとめでは、過去最多となった昨年の遭難者の半数が60歳以上だった。死者・行方不明者では7割を占める。競争社会を生き抜いてきた習性からか、前へ前へが判断ミスを誘う▼夏山シーズンは山岳遭難のピークでもある。考えている以上に体力減退が著しい山好きの中高年諸兄、くれぐれも用心を。

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