雑草稲 まん延防げ 等級落ち招く 抜き取り徹底 農家に注意喚起 新潟

「コシヒカリ」の水田で発生した雑草稲。主食用の稲より草丈が高い(新潟県提供)

 雑草稲の発生が全国各地で問題となっている。主食用米と同じ稲だが、玄米は赤や褐色で、もみが脱粒しやすい。雑草稲が主食用米に混入した場合、等級落ちの原因になる。現在、国や県などが連携し対策を呼び掛けているものの、根絶には至っていない。

 農研機構・中央農業研究センターによると、雑草稲は全国二十数県で確認され、詳しい調査を進めている。同センターは、2019年度から始まった5カ年の農水省の研究プロジェクトで全国の地域ごとの対応策を検討している。

 米どころ新潟県でも警戒を強めている。これまでは県が農家に個別指導してきたが、昨年度からは県内のJAに協力を仰ぎ、組合員に注意喚起のちらしを配った他、現地指導会などでも生産者らに注意を呼び掛けている。

 県内のあるJAは、約10年前から管内で確認され始めたという。JAの担当者は「特に直播(ちょくは)栽培の大規模圃場(ほじょう)で増えてきた。面積が広く、手作業では抜き切れない」と頭を悩ませる。

 同県では、異品種混入があると「その他うるち」としての扱いで、高価格のブランド米として出荷できない。対策として、色彩選別機で雑草稲の玄米を取り除く必要がある。また、水田にまん延すれば主食用米の収量低下などを招く恐れもある。

 主食用米は穂が出てから40日で成熟するが、雑草稲は2週間程度で脱粒しやすくなり、翌年以降に芽を出す。さまざまなタイプがあり、穂の成熟や芽を出すタイミングなどもばらばらで、短期間での根絶は難しい。

 現在の対策は薬剤防除と抜き取り。薬剤防除は田植え直後に1回と7~10日後に1回、その7~10日後に1回の計3回が基本。それでも出た場合は、手で抜き取る。前年のもみが芽を出す場合もあり、発生後3年間は対策を続けるのがポイント。水田に発生した雑草稲の99・6%以上を防除し続ければ、玄米の赤米混入率が0・1%以下に抑えられる。

 県農林水産部経営普及課の東聡志副参事は、雑草稲は農機のタイヤに付いた泥などで広がるため、水田の乗り入れ口付近での発生が多いという。抜き取りは中干し前が理想という。東副参事は「雑草稲が発生した場合、県やJAに連絡して地域で情報共有してほしい」と訴える。

おすすめ記事

営農の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは