貿易交渉巡り米国 ワイン市場に強い関心 日本へ波及

 日米貿易協定交渉で、米国がワインの市場開放に関心を強めていることが分かった。日本が欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)で関税を即時撤廃したことに加え、ワイン主産地のカリフォルニア州を牙城とする野党・民主党からの圧力が影響しているようだ。米議会で与野党の対立が激しくなる中、トランプ米政権は民主党との話し合いを重視。駆け引きが日米交渉に波及してきた格好だ。

 現在、日本が輸入するボトルワインの関税は15%か1リットル当たり125円の安い方を適用している。環太平洋連携協定(TPP)では、発効8年目に関税を撤廃する。日欧EPAはTPPを上回り、発効と同時に撤廃された。

 米国のワインや米は、民主党が圧倒的に強いカリフォルニア州産が中心。対日交渉の成果を大統領再選へのアピール材料としたいトランプ米大統領は、共和党支持の地域に牛肉、豚肉の産地が多いことを踏まえ、これまではワインよりも、畜産物への関心を強く示してきた。

 ただ、トランプ政権は現在、上下院の多数派が異なる「ねじれ」議会に直面。議会運営には野党の協力が不可欠な状況にある。トランプ政権にとって貿易政策の最重要課題である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は民主党が審議入りに同意せず、難航している。

 そうした動きが日米交渉にも波及。カリフォルニア州選出の民主党議員らは、早期に市場開放を実現するよう、交渉責任者の米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に書簡を提出した。

 日本政府関係者によると、米国側は、野党の意見を反映する形で市場開放を迫る場面があったという。

 同州は、日本へ輸出する米の生産を担う地域でもある。議会審議の鍵を握るペロシ下院議長も同州選出の民主党議員だ。米国議会の対立が長引けば日米交渉に波及し、協議は難航を深める可能性がある。

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