台風と酷暑 人命第一で行動しよう

 超大型の台風10号が列島を直撃する。8月は1年で最も台風の発生が多い。最新の気象情報を参考に暴風雨への備えを早めにし、台風通過後の作業にも注意しよう。酷暑も続いている。台風は南からの暖気を伴うため、通過後に暑くなる。暑さ対策を心掛け、熱中症や農作業事故を防ぐことも必要だ。

 先週、九州を縦断した台風8号、先島諸島から沖縄で発達した台風9号に続き、台風10号が西日本に上陸する見通しだ。強い勢力を維持しており、暴風や大雨による土砂災害、河川の氾濫、落雷、突風などへの注意が必要で、圃場(ほじょう)や農作物への対策は早めに行いたい。とはいえ、対策を焦るあまり熱中症で体調を崩したり、事故を起こしたりすることがあってはならない。

 熱中症を防ぐには、早朝や夕方など気温が低い時間帯に作業をしたり、小まめに水分や塩分を補給したり、休憩を十分に取ったりなどの予防が重要となる。作業中にめまいや失神、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗があった場合、熱中症の初期症状の可能性が高い。そういうときは、農作業をすぐに中断して、体を冷やすなどの応急処置を行うことが大切だ。

 暑さを侮ってはいけない。この暑さで農作業中に熱中症になり、田畑で亡くなる人が相次いでいる。12日、山口県周南市では90代の女性、長崎県諫早市でも70代の男性が畑で亡くなった。8月に入り、福島や埼玉、岐阜、徳島など各県でも農作業中の熱中症とみられる死者が出ている。

 総務省がまとめた熱中症による救急搬送人員の速報値によると、8月4日までの1週間で搬送された人数は1万8347人で、前週(7月22~28日)に比べると3倍超に増えた。

 農林水産分野の救急搬送者数は396人。年齢別では、65歳以上が全体の半数以上(54・3%)を占める。高齢者は喉の渇きや暑さを感じにくく、自覚症状がないまま熱中症になりやすいため、単独での作業も控えるようにしたい。

 猛烈な暑さは今後も続く見通しだ。気象庁が8日発表した9月9日までの1カ月予報によると、全国的に平年に比べ高温となる。特に8月中旬は太平洋高気圧が張り出し、気温がかなり高くなると見込んでいる。

 同庁では、最高気温がおおむね35度以上になることが予想される場合に、熱中症への注意を呼び掛ける「高温注意情報」を発表している。また、6日後から14日後までを対象として5日間平均気温がかなり高いことが予想されるときは、「早期天候情報」を公開している。

 農水省や都道府県が発表する注意喚起などにも目を向け、小まめな情報収集を心掛けよう。「自分だけは大丈夫」と過信せず、台風対策、暑さ対策ともに「人命第一」で対処していきたい。

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