[未来人材] 24歳。 NPO法人を設立し食育、農産物PR 学び合いの場 地域に  坂本星美さん 札幌市

児童会館の畑を管理する坂本さん(札幌市で)

 札幌市の坂本星美さん(24)は、地元の小学生の食育などを手掛けるNPO法人を運営する。市街地で野菜を栽培する取り組みなどを通じ、都市部の子どもの食への関心を育む。活動には学生や地域住民も巻き込み、食を通じて地域全体が子どもを見守る「学び合いの場」づくりを目指す。農産物のPRも手掛け、JAや農家と交流を深める。

 市内の大学で栄養学を学んだ坂本さん。食の知識を生かし、仲間と食育活動に打ち込んだ。在学中の2017年、活動を充実させるためNPO法人Efy(エフィ)を設立。共同代表に就き、卒業後も企業に勤めながら事業に参加する。現在のメンバーは約50人、大半が学生スタッフだ。

 事業の柱は、市内数カ所の児童会館での食育。ある会館の敷地では、キュウリやジャガイモ、トマトなどを栽培する。月1度ほど、子どもと野菜の観察や畑作業をし、取れたての野菜で昼食を作って食べる。収穫の役目は「じゃんけんで取り合いになる」ほどの人気。子どもの好き嫌いが目に見えて減るという。

 食育に力を注ぐ坂本さんの原点は子ども時代にある。調理師の母の影響もあり、週末は家族でキャンピングカーに乗って各地を訪れては特産の食材を味わう日々。地域の行事にもよく参加し、「人が集まって、おいしい食事を笑顔で囲む雰囲気が大好きになった」。

 自分でもそうした場所をつくりたいという思いから、幅広い世代の人が子どもと関わる環境を大切にする。秋には近隣住民らを招き、子どもが考えた野菜料理を振る舞う予定。「将来は地域の人が気軽に集まれるコミュニティ・ファームをつくりたい」と意気込む。

 産地と連携した農産物のPRも手掛ける。JAみねのぶからの相談を機に、農産物の開発やイベントの企画などで協力。JAは同法人に米などを提供し、農家が畑の先生役を務めるなど交流が広がっている。

 坂本さんはJA特産のハスカップをアピールしようと、コロッケのレシピを競う学生向けコンテストに応募。クルミなどを入れた甘味のあるコロッケで大賞に輝き、商品化にこぎ着けた。

 産地を訪れる中で、住民が助け合う農村の温かさを感じた。「この環境が都会にも必要」。食と地域を起点に、多彩な活動を続ける。(石川知世) 
 

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