収穫後のイチゴ におい成分かび病抑制

 草刈り後に感じる青臭いにおいの成分にイチゴの果実をさらすと、灰色かび病の発症が抑制されることが、龍谷大学などの研究で分かった。においによる日持ち向上や防除など、新たな技術開発につながる。生育中の植物で同様の作用があることは知られていたが、収穫後の果実で確認したのは世界で初めて。

 同大農学部植物生命科学科の塩尻かおり准教授と、パナソニックが共同研究した。植物が病害虫に被害を受けたときに出すにおいを同種の別の個体が受容し、身を守ろうと耐病性を高める「植物間コミュニケーション」の一種。実験では、生育中の植物で耐病性向上の働きがあった二つのにおい成分について、収穫後の果実に効果があるか調べた。

 イチゴ20個を密閉し、においに24時間さらした。その果実に灰色かび病菌を増殖した培地を付けたところ、においにさらした果実の方が発症が少なく日持ちが長かった。低濃度の方が日持ちが長い傾向があった。

 二つのにおい成分のうち、シス―3―ヘキセナールでは、人がわずかに感じる程度の低濃度の0・1マイクロモルだと2日後も12個が健全だったのに対し、無処理区は3個だった。

 においそのものには灰色かび病菌を抑制する効果はない。イチゴがにおいを受けて耐病性を高めるのは、一般的に知られている植物ホルモンのジャスモン酸とは異なる仕組みによるものとみられる。塩尻准教授は「においを受容させる方法や効果的なタイミングを探り、農作物の品質保持技術を開発したい」と話す。
 

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