農産物輸出 検疫条件協議短縮へ 害虫防除事前に実証  農水省

 農水省は、農産物の輸出解禁に向けた検疫条件の協議短縮化に乗り出した。相手国が警戒するとみられる害虫が発生していないことを事前に実証し、速やかな協議につなげる。一部の果樹で先行して取り組んでおり、薫蒸など従来の検疫ではなく、より品質が維持しやすい交信かく乱剤などを組み合わせた手法を採用。モデルを確立し、他品目の拡大も視野に入れる。

 輸出解禁に向けた協議では通常、侵入する恐れのある病害虫を輸入国が特定する。輸出国はその病害虫の検疫措置を設定する必要がある。

 日本はこれまで、相手国との協議で対象となる病害虫を定め、検疫措置の効果を実証していた。ただ、対象の病害虫の特定作業などに時間がかかり、同省によると、一つの品目の輸出協議が終わるまで平均9年かかっていた。農林水産物・食品の輸出拡大に向けて、同省は検疫協議の短縮が必要と判断し、これまでの協議の在り方を見直した。

 相手国が公表している病害虫の情報や第三国との協議内容に基づき、協議に入る前に防除対象の病害虫を特定。その病害虫の防除を実証し、日本から輸出しても問題ないことを示してから、相手国との協議に臨むという対応の確立を目指す。

 検疫措置は薫蒸の対応が主流だが、農産物の品質低下などを懸念する産地は多い。このため同省は交信かく乱剤や通常の薬剤散布などを組み合わせて病害虫を防除する手法を新たに取り入れた。

 2017年度からリンゴやミカンなどの一部産地で採用し、害虫を無視できるレベルまで抑えることができたという。既に特定の国との交渉で、新手法の実証データを活用しており、協議短縮のモデルにする考えだ。

 事前にデータを集める期間が必要で、同省は「国・地域ごとに情報を蓄積し、実証方法を確立することで、事前準備の期間も短くしたい」(植物防疫課)と考える。将来的に、輸出解禁に向けた協議を6年程度に短縮することを狙う。
 

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