豚コレラ余波 ヤギ市中止? 怖い感染拡大 人手不足も 愛知県ピリピリ

草を食べるヤギの世話をする佐伯美智代さん。豚コレラの影響で延期しているヤギのせり市開催を心待ちにする(岐阜県白川町で)

 例年6月に愛知県新城市で行われる子ヤギのせり市が、今年は開催のめどが立っていない。2018年9月から続く豚コレラの影響で運営の人手が足りないことに加え、畜産関係者が集まることによって感染拡大につながる恐れがあるからだ。10年の口蹄(こうてい)疫の際に規模を縮小したことはあるが、中止は例がないという。さまざまな品種のヤギを手に入れる貴重な機会とあって、除草などで活用している農家からは落胆の声が漏れる。

 せり市は愛知県緬山羊(めんさんよう)協会が主催。県ヤギ品評会と併せて毎年6月中旬に開く。同協会だけではスタッフが足りないため、後援する県畜産課職員の応援を得て、同市の家畜市場で実施していた。しかし、今年は同課職員が豚コレラ防疫対応に追われており、さらに流行が終息しないことから開催を延期。協会は「畜産関係者が集まるので、感染拡大のリスクがある。ひとまず延期しているが、現状では開催のめどが立たない」と打ち明ける。

 協会によると、国内でヤギのせり市があるのは群馬、長野、沖縄と愛知の4県。このうち沖縄では主に食肉用、群馬と長野は乳用の「日本ザーネン種」を出品。トカラヤギや雑種、愛玩用の品種も取り扱うのは愛知県だけで、近年のヤギ人気の高まりもあって注目の市場となっている。

 ヤギを除草に活用する農家にも影響が及んでいる。岐阜県白川町でトマトや有機栽培米を手掛ける佐伯薫さん(64)、美智代さん(57)夫妻は10年ほど前から、あぜの除草のためにヤギを飼養。昨年まで5頭いたが、譲ったり死んでしまったりで今は1頭だけに。例年なら草がきれいになくなっている堆肥置き場周辺は手が回らず、雑草が茂っている。

 美智代さんは「近所の子どもたちが触っても危なくない、角がない子ヤギが欲しい。早くせり市が再開できるようになってほしい」と願う。

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