地下水調査 早く正確 省力化の手法開発 従来比6、7割の時短 農研機構

 水田や畑で使う地下水は、何年かけてやってきたのか──。

 農業や生活に使う地下水の状態を調べる「くみ上げ調査」で、調査時間を6、7割削減できる省力的な手法を、農研機構が開発した。調査用井戸に「井戸用採水器」を入れて地下水を取り出すのが特徴。地下水に溶け込んでいる六フッ化硫黄ガスの濃度で、地下水になってからの期間を把握できる。従来のポンプによるくみ上げと比べて精度も高い。地下水の保全や地滑り対策に役立つとみて、同機構は国や自治体などが調査する際の活用を促す。

 地下水の保全には、降った雨水が地下水になり、どれだけの時間をかけて流れてきたかといった“時間”の情報も重要視される。この時間は六フッ化硫黄ガスの濃度で分かるが、ガスの濃度は空気に触れることで変わってしまうことが課題で、高精度な計測には、ポンプとホースなど大掛かりな機器が必要だった。

 新しい手法では、調査用井戸にロープを使って採水器を沈め、地下水を繰り返しくみ上げる。採水器は市販のものを使い、他の機器は必要なく、ポンプでのくみ上げと同等の精度で調べられる。

 同機構が500ミリリットル容器2個分の地下水を取る作業時間を調べたところ、井戸の深さが1メートルの場合の調査時間は4・4分となり、ポンプと比べて72%の時間短縮になった。深さが26メートルの場合は14・8分で、削減率は58%減で、早く省力的に調査できた。

 調査結果は、涵養(かんよう)地を調べ保全することにも役立てられる。同機構農村工学研究部門は「国や自治体が地下水の保全や地滑り調査をするときに活用でき、営農や中山間地の暮らしに役立つ。六フッ化硫黄を使う新しい手法として普及させたい」と説明する。 
 

おすすめ記事

営農の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは