所有者不明農地 貸し出し増じわり 手続き簡素化 農委体制強化が課題

 担い手への集積・集約化には、所有者不明の農地がネックになることがある。規模拡大のため、機構を通じて隣接する農地の集積を望んでも、相続人の過半が判明しないと手が出せなかった。実務を担う農委が手続きに入れないケースが多かった。

 手続きの簡素化へ、国は農業経営基盤強化促進法と農地法を改正。2018年11月の施行後、同意が必要なのは、元所有者の配偶者と子に限定。5年だった貸付期間は最長20年に延ばした。

 改正法が施行された18年11月から19年6月までで、農委が相続人から同意を得て、機構に貸し出すことを公示した所有者不明農地は22件、5ヘクタールに上る。うち16件、4・6ヘクタールが遊休農地だ。地域の担い手の要望を受け、農委が対応するケースが多い。半年間、他の相続人などから異論が出なければ手続きに入る。

 一方、手続き簡素化前の14年4月から5年間で、農委の公示後、知事裁定によって貸し出しが決まったのは16件、7・3ヘクタール。全て遊休農地だ。簡素化後の8カ月間だけで、これまでの実績を大きく上回り、法改正による手続きの時間短縮などが追い風となった。

 一方、地域の農委は、所有者不明農地への対応だけでなく、「人・農地プラン」を充実させるためのサポートなど、農地の流動化へ果たすべき役割は多い。

 同省は「所有者不明の農地が活用されることで、担い手の効率化や農地保全にも結び付く」(農地政策課)として、農業委員や農地利用最適化推進委員の活動費などを支援していく考えだ。
 
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