豚コレラワクチン 区別可能型を検討

 農水省は5日、豚コレラ防疫対策本部を開き、終息に向けた対策を示した。飼養豚へのワクチン接種では、血液検査で接種豚を区別できるマーカーワクチンの有効性を検討する。事前検査などを条件とすれば接種豚の自由な流通が可能だが、同ワクチンは遺伝子組み換え体のため安全性確認が必要。国の食品安全委員会による評価などをクリアしなければならない。

 対策本部長を務める吉川貴盛農相は会合で、マーカーワクチンを念頭に「現在備蓄しているワクチン以外も含め、あらゆる可能性を検討する」との考えを示した。国が備蓄するワクチンでは、接種豚と感染豚を区別できない。感染豚を発見できずに出荷し、感染が拡大する恐れがある。県単位で全ての豚に接種し、豚や豚肉製品の流通を域内に制限するなどの前提条件を満たす必要がある。

 同省は、マーカーワクチンの接種豚は区別できるため、流通前の検査などを条件とすれば自由な流通が可能と考える。

 一方、国内では未承認のため、現在拡大している豚コレラウイルスに有効かどうかを検証する必要がある。食品安全委員会で食品安全基本法に基づく健康影響評価などの手続きも必要で、評価がまとまるのは「数カ月かかる」(消費安全局)見通し。遺伝子組み換え食品への消費者の不安をどう取り除くかも課題だ。

 野生イノシシ対策も重視。餌に混ぜて与える経口ワクチンを発生地を囲むように複数県で帯状に散布し感染拡大を防ぐ「経口ワクチンベルト」の構築も盛り込んだ。9月下旬から着手する方針。

 家畜伝染病予防法に野生イノシシ対策を位置付けることも検討する。
 

<ことば> マーカーワクチン


 ワクチンに目印を付け、血液検査で接種豚と感染豚が区別できる。農水省が検討対象としているのは、米国製の遺伝子組み換え体のワクチン。国際獣疫事務局(OIE)の非清浄国にはならないという。
 

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