豚コレラ発生1年 経営再開2割どまり 再感染防止と資金繰り課題 本紙農家アンケート

 豚コレラが発生して9日で1年が経過した。日本農業新聞は被害農家に経営再建のアンケートをし、回答があった36経営体のうち、「再開済み」と回答したのは7経営体(19%)にとどまっていることが分かった。「再開予定」は19経営体の53%。「再開済み」「再開予定」の課題上位は「再感染の不安」「資金繰り」で、それぞれ69%に当たる18経営体と46%に当たる12経営体が回答。課題にいち早く応える対策が急がれる。

 アンケートは、岐阜、愛知、三重、福井の4県で豚コレラの発生で殺処分を経験した38例目までの44経営体を対象とした。回答率は81・8%(36経営体)。

 8日までに経営を「再開した」との回答は7経営体(19%)で、「再開予定」は19経営体(53%)だった。26経営体が挙げた課題のうち「再感染の不安」が18経営体で最も多かった。発生から1年が経過しても発生が広がっている上、経営を再開しても、再び感染するリスクがあることに大きな懸念を抱いていることが分かった。

 次いで多かった課題は「資金繰り」で、12経営体。殺処分に対する手当金・補償金などについて「発生から支払いまでが長過ぎる」「詳細が分からず、再開計画が困難」「経営再開には足りない」などの意見があった。「収入が途絶えている中、資金がだんだん減っているので不安」「再開に向けた設備投資で資金が底を突きそう」といった悩みもあった。

 また、自由記述では12経営体が「豚へのワクチン接種」を認めてほしいと求めていた。

 「経営再開した」と答えたのは全て愛知県の農場。既に再開を公表している豊田市の農場の他は野生イノシシでウイルス陽性が出ていない田原市にある農場だ。陽性イノシシの多発地帯でどのように再開を進めるかが課題として浮かび上がった。

 「廃業する」は7経営体(19%)。そのうち6経営体は「豚コレラが収まらないから」「豚舎の改築・改修には多額の費用が掛かる」など、豚コレラ対策を理由に含めていた。4経営体は「年齢」や「後継者不在」を挙げた。
 

殺処分は13万3500頭


 1年間で養豚場や研究機関など飼養施設での発生は岐阜、愛知、三重、福井の4県の40例を数える。殺処分の頭数は、発生農場から豚が運ばれた3府県の農場を加えた74農場・3食肉処理場の計13万3494頭となった。

 毎週のように発生が続いており、1年間で移動・搬出の制限区域がなかったのはわずか6週間だけだ。

 豚コレラウイルスに感染した野生イノシシの発生も相次ぐ。同省の調べでは5日までに岐阜、愛知、三重、福井、長野、富山、石川の7県で計1099頭で、陽性イノシシが見つかっている。
 

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