第4次安倍再改造内閣発足 農相に江藤拓氏 農政改革 着実に推進

皇居での認証式を終え、首相官邸に入る江藤拓氏(11日、東京・永田町で)

 第4次安倍再改造内閣が11日発足し、農相には初入閣の江藤拓・前首相補佐官が就任した。安倍晋三首相は、自民党農林幹部で自身にも近い江藤氏の起用で、日米貿易協定や豚コレラなど喫緊の農政課題への対応を強化し、農政改革も着実に進める方針とみられる。江藤農相は、日米貿易協定を踏まえて環太平洋連携協定(TPP)関連政策大綱の見直しも検討する考えを示した。

 内閣改造後に記者会見した安倍首相は「安定と挑戦の内閣」と命名。「あらゆる政策分野で、これまでの発想にとらわれない大胆な改革に挑戦していく」と述べた。江藤農相を「農政通」と評価し、農産物の輸出を例に「世界に目を向けながら、持ち前の現場感覚で、若者たちが未来を託せる農林水産新時代を切り開いてほしい」と求めた。

 江藤農相は首相官邸での記者会見で、食料・農業・農村基本計画の見直しや食料自給率を巡り、「生産基盤をいかに維持するのか、担い手をいかに確保していくのかが大事だ」と指摘した。生産基盤の確保に向け、多面的機能支払いなどを充実させたい考えを示した。首相から、食料自給率・自給力の問題にしっかり取り組むよう、指示があったことも明らかにした。

 日米貿易協定については「過去の経済連携の範囲内に収まっていると理解している」と語った。

 江藤農相は同日午後に日本農業新聞の単独取材に応じ、日米貿易協定について「(農産物の自由化水準は過去の経済連携協定が限度とする)日米共同声明から逸脱しないよう厳しく見ていく」と強調した。

 「国内の生産基盤が傷まないよう、ありとあらゆることを想定して対応したい」とも述べ、必要に応じてTPP関連政策大綱を見直す考えも示した。

 豚コレラについては、血液検査で接種豚を区別できるマーカーワクチンの有効性を含めた対策の検証や、養豚関係者との意見交換を改めて進め、「決断すべき時は決断したい」と述べた。

 江藤氏は、農水副大臣や党農林幹部として、安倍政権での一連の農政改革や貿易交渉の調整役を担った。昨年10月からは首相補佐官として農林水産物の輸出振興などを担当し、首相とは個人的にも近い。こうした実績を評価した農相起用とみられる。

 第4次安倍再改造内閣は、安倍内閣として最多の13人が初入閣した。

 日米貿易協定交渉は、経済再生担当相から横滑りした茂木敏充外相が引き続き担当する。茂木氏は首相官邸での記者会見で、同交渉について、「目標の9月末の協定署名に向け、全力で取り組んでいる。双方にウィンウィンとなる協定に仕上げていきたい」と語った。

 環境相には前・党農林部会長の小泉進次郎氏を抜擢。規制改革や地方創生の担当相には北村誠吾氏が就任した。

 自民党は同日、臨時総務会を開き、新執行部人事を正式決定。留任の二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長、新任の鈴木俊一総務会長と下村博文選対委員長による、新たな党四役体制が始動。森山裕国対委員長は留任した。

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