収穫 運搬 積載 野菜の重労働を自動化

実演したキャベツの自動収穫機(北海道鹿追町で)

タマネギの自動収穫・自動伴走収納の実演(同)



 立命館大学や農研機構、北海道のJA鹿追町などの連携で、露地野菜の自動化・ロボット化に向けた研究開発が進んでいる。労働力不足の深刻化に対応した取り組み。新たな栽培体系の確立に期待がかかる。鹿追町で開かれた実演会では、キャベツの自動収穫とコンテナの自動運搬・積載、タマネギでは自動収穫とコンテナへの自動伴走積載などを披露した。
 

AI、GPSで高精度


 同町を事業区域とするJAは、1991年にキャベツの生産者組織をつくり、本格的な栽培を始めた。2017年の作付面積は約65ヘクタール。JAは、予冷施設や育苗センターを整備した他、コントラクター(作業受託組織)による収穫などで、生産を後押ししてきた。

 キャベツの自動収穫機は、同大学と北海道富良野市のオサダ農機が開発している。一般的な乗用型収穫機には刈り取り部の位置調節にノウハウが求められる。一方、自動収穫機は、刈り取り部上方のカメラでキャベツを認識し、人工知能(AI)で場所を検出するため、農機が刈り取り部の位置を自動調節する。収穫作業も、刈り取り部近くに付けたカメラで高さや位置を把握し、自動で1球ずつ正確に刈り取った。23年度までの実用化を目指す。

 自動運搬台車と収穫機が連携した、コンテナの自動運搬も参加者の注目を集めた。収穫機はコンテナが満載になると自動で停止する。衛星利用測位システム(GPS)などの位置情報を頼りに、後方に待機していた運搬台車は自動で収穫機に接近し、収穫機後方にあるカメラの画像を元に傾きや距離を把握して収穫機と接続。キャベツの入ったコンテナと空のコンテナを入れ替え、トラックの待機場に自動走行する。

 茨城県小美玉市で加工キャベツ24ヘクタールを作業受託する農業法人の玉造洋祐代表は「現在は手作業で収穫しており、労働力の確保は課題となっている。いきなりの無人化はハードルが高そうだが、部分的にでも実用化が進んでほしい」と期待を示した。
 

障害物把握 台車伴走も


 同大学と豊田自動織機が開発する自動フォークリフトも、JAの選果場で披露した。自動車の自動運転に使われている技術を応用し、複数のレーザーセンサーによって障害物などを把握するのが特徴だ。実演では、キャベツの入ったコンテナに近づいたフォークリフトが、コンテナに貼り付けたマーク画像を頼りにフォークを差し込んで持ち上げ、トラックの荷台へ積み込んだ。実証試験は20年度も続ける。

 タマネギの自動収穫と自動伴走積載も実演した。同大学と北海道訓子府町の訓子府機械工業が共同開発を進めている機械。自動収穫機に取り付けたカメラの画像を元にAIでタマネギを探し出して収穫する仕組みだ。GPSや基地局を使った正確な位置情報を基に、コンテナ台車を引くトラクターが自動で伴走。収穫と同時に、ベルトコンベヤーでコンテナに積み込んだ。将来は、土くれや雑草などの自動除去機能も検討している。23年度の実用化を目標にする。

 農薬散布用ドローン(小型無人飛行機)を製造・販売するエンルートは、機体が傾いても噴霧ノズルが下方を向くドローンの開発状況を説明した。

 同大学理工学部の深尾隆則教授は、農業者人口の減少や高齢化を解消するためには、農機のロボット化、自動化が必要だと強調。「収穫作業のオペレーターや人手不足は喫緊の課題。少しでも早く実用化に結び付けたい」と訴えた。
 
 
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