日米協定巡り論戦 代表質問始まる 首相 所得向上実現に注力 野党 1次産業へ影響懸念

 安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が7日、衆院で始まり、与野党の論戦が本格化した。立憲民主党の枝野幸男代表は、日米貿易協定の結果を問題視。環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と合わせ、「1次産業に与える影響は極めて大きい」との懸念を示した。安倍首相は、農家所得向上実現に力を入れていく方針を示すなどし、野党の追及に反論した。

 枝野氏は「ただでさえ、わが国の1次産業は生産基盤が著しく弱っている」と強調。TPPと日欧EPA、日米の3協定に、「悪影響を放置すると、壊滅的な状況に陥る」と警鐘を鳴らした。食料の安定供給や農山漁村の多面的機能の維持などを重視し、対策として農業者戸別所得補償法案の成立を挙げ、安倍首相の認識をただした。

 安倍首相は、旧戸別所得補償制度が全販売農家を対象にしていた点を挙げ、「担い手への農地集積のペースを遅らせる面があった」と指摘。安倍政権では麦や大豆、飼料用米など「需要のある作物の生産振興を図っている」とした上で、農地集積や輸出促進などと合わせ、「前向きな政策を強化してきた」と強調。一連の政策を引き続き推進し、「農家所得向上を実現していく」と訴えた。

 自民党の林幹雄幹事長代理への答弁では、日米交渉の成果に関し、「わが国にとって大切な米は関税削減の対象から完全に除外した」と強調。日本産牛肉の低関税輸入枠拡大を成果に挙げ、「新しいチャンスも生まれ、国益にかなう結果が得られた」と主張した。

 国内対策の根拠となるTPP等関連政策大綱の改正は「年末に向けて、与党の力も借りながら改正する考えだ」と与党との連携を強調。「新たな市場の開拓や生産基盤の強化などに取り組むことで今回の協定を全国津々浦々、わが国の経済のさらなる成長につなげていきたい」とした。

 豚コレラへの対応は「一刻も早い終結に向けてあらゆる対策を総動員する」とし、発生農家の経営再開への支援など「万全の支援策を講じる」と語った。

 相次ぐ台風による農業被害には、災害復旧事業の早期実施、農業用ハウス再建への支援、停電対策などを例に挙げ、「総合的な農林漁業者への支援を決定し周知を図っている」とした。
 

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