風神様が鎮まらない

 風神様が鎮まらない。台風15号の傷跡が癒えぬ間に大型で猛烈な台風19号が日本列島に迫る。温暖化ガス削減に動きが鈍い主要排出国へのいら立ち。それが海面の熱を帯びさせるのだろうか▼3連休の足やイベントにも影響が広がる。鉄道・航空各社が相次ぎ運休を決め、ラグビーW杯の試合も一部中止となった。人命と安全第一。各地のイベントも対応に頭を悩ませる▼「東西、東西、ここにかけおく龍の次第は」。独特の口上で始まる埼玉県秩父・吉田の「龍勢祭(りゅうせいまつり)」もその一つ。椋(むく)神社例大祭に奉納する神事で、祭り当日の13日午前6時に打ち上げるかを判断するという。アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」で龍勢が取り上げられたこともあり、昨年は11万人が訪れた▼「農民ロケット」。長い竹に付けた火薬筒に点火し、やぐらから打ち上げる龍勢は別名そう呼ばれる。戦国時代に農民がのろしから考案したのが由来ともされる。椋神社は1884年に発生した「秩父事件」の農民らの決起場所ともなった。デフレ政策による養蚕への打撃、法外な高利貸の利子。蜂起は警官隊や軍隊に鎮圧されたが、龍勢は毎年農民の思いを込めて秋空のスクリーンに軌跡を描いてきた▼秋の実りは収穫の真っ最中。風神様に、農民の願いが届けと願う。
 

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは