豚ワクチンで農相 接種「抑制的に」 農家の理解醸成焦点

 豚コレラ対策の飼養豚への予防的ワクチン接種を巡り、江藤拓農相は11日、感染イノシシが確認されていない都道府県での接種は認めない考えを示した。今後の感染を懸念し、対象地域の拡大を訴える声もあるが、ワクチンは抑制的に使い、飼養衛生管理基準の徹底を基本とする方針。養豚農家や自治体が抱える不安を払拭(ふっしょく)し、理解を得ていくことが欠かせない。

 政府は、来週にも予防的ワクチン接種を可能にする新たな防疫指針を施行する。接種推奨地域は群馬、埼玉、富山、石川、福井、長野、岐阜、愛知、三重、滋賀の10県。野生イノシシでの感染が見つかった都道府県を基本とした。

 農水省は防疫指針の改定で都道府県知事に意見を照会。接種推奨地域について感染イノシシが確認された都道府県だけでなく、隣接都道府県の意向を踏まえ、広域的に設定する意見が15件届いた。

 同日の衆院予算委員会で、国民民主党の後藤祐一氏は「ワクチン接種を希望している県には打たせてあげるべきだ。(感染地域の)外側を固めて、それ以上広がらないよう固めてから対策をやらないから、初動が遅れた」と批判した。

 江藤農相は「ワクチン接種が全て正しいという気持ちではない」とし、「飼養衛生管理基準の徹底、野生イノシシの侵入防止が防疫指針に基づいた一番正しいやり方」と強調。ワクチン接種は「抑制的であるべきだ」との認識を示した。

 同日の閣議後会見でも、江藤農相は「農家の不安な気持ちは分かる」とした上で、飼養衛生管理基準の徹底を基本とする考えを強調。感染イノシシが見つかった都道府県を対象とする方針は変えない姿勢を示した。

 静岡県養豚協会の中嶋克己会長は「まずは発生県のワクチン接種を最優先するのはやむを得ない。ただ、近隣県は神経をすり減らして飼養している。遅くとも年内には希望県が接種できるように求める」と主張する。
 

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