濁流急襲 一昼夜で農村暗転 水田壊滅 長野

山積みになったハウス前のごみを前に肩を落とす市川さん(15日、長野県佐久市で=藤川千尋写す)

 台風19号による大雨で河川が氾濫するなどし、農作物やJA施設への被害が相次いでいる。被害は広範囲にわたり、15日になっても被害の全容解明にはまだ時間がかかる見通しだ。被災した各地で、農家やJAが被害状況の把握と復旧作業に懸命だ。

 長野県佐久市では、千曲川の支流の滑津川で水があふれ、田んぼなどがある中込地区に多くの水が流れ込んだ。15日、JA佐久浅間と市の職員が現地に入り農業被害を調査した。

 「ここも全滅か」「隣の田んぼも水に漬かったんだな」。職員らは泥で足場の悪い中、被害を確認しながら地図に実態を記入していく。同地区は収穫の最盛期だったこともあり、倒伏した状態の稲穂が多数あった。

 調査したJA営農企画課の小林浩一課長は「土砂の流れ込みや、田んぼが壊れている所もある。来年の作付けも難しいだろう」と肩を落とす。

 「半世紀以上この地域に住んでいるが、こんな災害は初めて」と話すのは、同地区でトルコギキョウなどをハウス栽培する市川秀人さん(75)。市川さんのハウスも被害に遭い、14日から近所の住民や知り合いなどの協力を得て、ハウス内の土砂やマルチなどをかき出す作業に追われた。

 市川さんは「営農を再開するにもまずはごみを処理することが必要だが、処理の見通しもたっていない。人手も足りない」と漏らす。

 管内では立科町のJAのリンゴ共選所が、地面から50センチほどの高さまで浸水し、集荷した850ケース(1ケース10キロ)のリンゴが水に漬かった。共選所で販売などを担当する林達也さん(24)は「台風が来る前に農家が懸命に収穫したリンゴも多かった。残念だ」と話す。

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