また壊れた…再建は遠く 千葉の養鶏二重被害 支援充実求める声

台風による猛烈な風で波打つように変形した給餌用のレーン(17日、千葉県君津市で=斯波希写す)

 相次ぐ台風の襲来で、全国有数の規模を誇る千葉県の養鶏産地に甚大な影響が出ている。9月上旬の台風15号では、約50万羽の採卵鶏やブロイラーが死んだ。倒壊を免れ、応急処置をしていた鶏舎に台風19号の雨風が襲い、被害が拡大した。県内の一部地域では再停電も発生。18、19日にはまとまった雨も予想されており、再建に向けた見通しが立てられない状況だ。被災の状況は各農家で大きく違い、現場からは柔軟な支援を国に求める声が上がっている。

 房総半島に位置する千葉県君津市。採卵鶏など16万羽を飼養していた「菜の花エッグ」では、度重なる台風で鶏舎3棟が全半壊した。15号では最長12日間、19号では3日間停電が続き、暑さなどで計2万2000羽の鶏が死んだ。

 梅原正一代表は「19号に備えて補強や応急処置をしていたが、また壊れてしまった。片付けも手つかずの状態」と二つの台風襲来の影響に肩を落とす。

 残った鶏舎で懸命に生産を続け、顧客への安定供給に努めるが、生産量は台風前から3割ほど落ち込んだ。給餌用のレーンが壊れ、手作業での給餌も大きな負担となっている。被害が大きく、再建には最低でも2年以上、億単位の費用が掛かる見込みだ。

 採卵業は、昨年末から低卵価が続き、経営が苦しい状況にあった。そこに台風被害が重なり、生産者の経営を圧迫している。採卵業は大規模な経営体も多く、死亡鶏の処理も大きな負担となっている。

 日本養鶏協会関東甲信越地域協議会で千葉県代表を務める、旭市の宮澤農産の宮澤哲雄代表は「死鶏の処理などで多くの方に助けてもらっている。ただ、再建に向けては国などの柔軟な支援が欠かせない」と訴える。

 同県は、鶏卵の生産量が16万7795トン(2018年)と、全国3位の産地。県のまとめによると11日現在、台風15号だけで採卵鶏、ブロイラーなどの被害額が約5億6000万円に上っている。
 

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