国内対策で財務省 競争力強化に限定 政府内で認識ずれ

 財務省は17日、国の財政制度を検討する審議会に、農業予算の考え方を示した。日米貿易協定などの国内対策は「真に競争力の強化につながるものとするべきだ」とし、輸出促進などへの集中を求める姿勢を示した。安倍晋三首相は「農林水産業の生産基盤の強化」を目指すと強調しており、整合性が問われる。転作支援では、飼料用米への誘導からの転換も提起。政府・与党は、水田フル活用による米の生産調整見直しの定着を目指す方針を示しているだけに、今後議論を呼びそうだ。

 財政制度等審議会財政制度分科会が新設した歳出改革部会(部会長=増田寛也元総務相)に示した。考え方と部会の議論は、政府の来年度の予算編成に向けて同審議会がまとめる建議(意見書)に盛り込まれる。

 日米貿易協定の発効を見据えた国際競争力の強化に向け、輸出先国への対応の強化や省力化に結び付く「スマート農業」などを具体例に提示。環太平洋連携協定(TPP)対策の主軸である産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業で予算を使い切っていない実態などを挙げ、予算圧縮への意欲をにじませた。

 一方、品目政策や地域政策には触れなかった。政府は、日米貿易協定の国内対策の検討に着手する。安倍首相は臨時国会の所信表明演説で「生産基盤の強化など十分な対策を講じる」と強調した他、TPP等関連政策大綱の改定で「農林水産業の生産基盤強化と新市場開拓」を基本方針に掲げる。同省は予算を限定し、競争力強化に重点を置く方針とみられるが、政府としてどう対応するかが焦点になる。

 転作支援では、同日の部会の議論で「補助金が飼料用米などに偏り過ぎている」との声があった。

 同省は、食料自給力に力点を置き「現在の耕作可能な土地で潜在的に日本人が必要な摂取カロリーを十分に賄える」と指摘。自給率向上のため農地を飼料用米生産に使うのではなく、需要に合った作物生産に農地を活用するよう提起した。

 転作支援の財源である水田活用の直接支払交付金も、飼料用米でなく、高収益作物への転換支援にシフトするよう打ち出した。ただ、政府・与党は米の生産調整見直しに伴い、飼料用米など非主食用米を含めた水田フル活用を推進してきた。

 価格下落時などのセーフティーネット(安全網)対策として、米や畑作物に対する収入減少影響緩和対策(ナラシ)や野菜価格安定制度などを収入保険制度に一元化することも提案した。

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