[未来人材] 30歳、28歳。養鶏場継ぎ経営二人三脚 父築いた白鳳卵発展 阪本雅さん、未優さん 奈良県五條市

「女性が経営する養鶏場のモデルになりたい」と意気込む雅さん(右)と未優さん(奈良県五條市で)

 奈良県五條市の阪本雅さん(30)、未優さん(28)姉妹は「さかもと養鶏場」を経営する。実家の養鶏場を担っていた父親の死を乗り越え、20代半ばで家業を継いだ。小まめな管理や飼料にこだわり、父親から継いだ独自ブランドの「白鳳卵」を生産。「臭みがなく、甘味がある」と県内外から消費者らが買いに訪れるほどの人気だ。「女性が経営する養鶏場のモデルになりたい」と力を込める。

 2016年に養鶏場を継いだ。大学、短大を卒業して県外で働いていた2人に転機が訪れたのは14年12月。「お父さんにがんが見つかり余命1年と宣告された」。母親からの突然の電話だった。悩んだ末、両親の側にいるべきだと考え、15年春に姉妹で実家に戻った。

 「子どもの頃手伝いをしたことはあったが、養鶏のことは右も左も分からなかった」と未優さん。父親の闘病中は、家族総出で養鶏場を回した。しかし、同年6月に父親が亡くなった。続くように9月には母親にも病気が見つかった。実家の養鶏をどうするか岐路に立たされた。

 実家は50年以上前から養鶏を続けており、長年、卵を買い続ける常連客がいた。廃業にかかる費用なども心配だった。「続ける努力をしないで廃業してしまっていいのか」。家族で話し合いの末、続けていくことを決断。法人化し、社長に未優さん、専務に雅さんが就いた。管理方法などは地元の養鶏農家らの協力も得て学んでいった。

 現在は採卵鶏1万1000羽を飼養。年間約200トンの卵を出荷する。現場は未優さんが担当し、毎日の見回りなど小まめな管理を徹底する。「鶏も人と一緒で快適な環境がいいはず」と、鶏舎の温度変化に気を使う。餌はチキンミールを配合した独自の飼料を与える。「臭みがなく、おいしい卵になる」という。

 雅さんは、事務や経理などを担当。美術系の大学を卒業し広告会社で働いていた経験を生かして、商品のラベルも手掛けた。ピンクを基調にし「姉妹で生産していることが分かるよう、女性らしいデザインに仕上げた」(雅さん)。自社直売所の装飾も手掛け、自らペンキ塗りなどをした。

 2人は「今後は、総菜や加工品にも挑戦し、五條市に人を呼び込めるような取り組みをしたい」と話す。(藤田一樹)
 

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