[北海道・JA北ひびき移動編集局] “食”こそ 誘客の鍵 フードツーリズム盛り上がり

札幌駅近くの粥店「粥餐庁」で販売されている北海道和寒町産カボチャを使った粥(札幌市で)

 北海道和寒(わっさむ)町は、地域ならではの食を楽しむことを旅のテーマに据える「フードツーリズム」に力を入れている。特産のカボチャやキャベツを観光資源として、農産物の販売会に生産者が参加する他、収穫体験付きバスツアーなども人気だ。全国的にも、秋田では発酵食品、和歌山ではフルーツなどと、食と食文化にまつわるツーリズムが広がっている。
 

農家、飲食店…オール和寒町 野菜 観光資源に


 同町は、北海道旭川市から北に車で約30分。市町村別で日本有数の作付面積を誇る特産のカボチャや、冬の間雪の下で保存させる「越冬キャベツ」が有名だ。

 フードツーリズムについては、5月に町とJA北ひびき、観光協会、商工会が推進協議会を設立。生産者を巻き込んで、観光客を呼び込む。町産業振興課の飯澤聖香参事は「道民内でも和寒町の場所を知らない人がいる。町をもっと知ってもらう取り組みを地域一体で進めようと、協議会をつくった」と話す。

 札幌市などで開かれる販売会への出展が主な活動で、飲食店とコラボを積極的に行っているのが特徴だ。31日のハロウィーンに向け、札幌駅近くの粥(かゆ)店やカレー店で町のカボチャを使った特別メニューを期間限定で提供している。

 コラボしている店舗の一つ「粥餐庁(かゆさんちん)」では、町のカボチャを使った粥が毎日20杯ほど売れるという。注文した女性は「さっぱりしていておいしい」と話す。

 推進協議会にはJA和寒基幹支所の南瓜部会やキャベツ部会も加盟し、生産者が直接消費者の声を聞く機会をつくる。

 飯澤参事は「これまでの地域振興は役場だけでやっていたというのが実情。作る人も売る人も、“オール和寒”で取り組むのが目標だ」と話す。
 

「地域ならでは」活用


 秋田 「発酵食」

 秋田県では2018年から「あきた発酵ツーリズム」を展開。発酵食文化を秋田犬と秋田美人に続く第3の観光コンテンツにしたい考えだ。自治体が見学や体験事業を行う酒蔵やしょうゆ・みそ蔵などを特設ホームぺージで紹介し、蔵カフェなどの設置費用を支援する。県は「秋田の発酵食文化は意外と知られていない。ツーリズムを通じて発酵食文化を体験し、秋田の魅力を感じてもらいたい」と期待する。

 和歌山 「果実」

 和歌山県紀の川市の一般社団法人、紀の川フルーツ・ツーリズムは、2014年から地域資源である果実と観光を組み合わせた「フルーツツーリズム」を進める。イチジク収穫体験、果実狩りやJA紀の里の選果場見学など各種イベントが好評だ。

 同法人理事の西峰祐美さん(46)は「紀の川市は年中フルーツを味わえる場所。果樹農家らが年中体験イベントを開けるような環境づくりをしていきたい。若い人ら多様な人とコラボし、地域の魅力を発信していきたい」と意気込む。

 市やJA、商工会などは昨年、「紀の川フルーツ観光局」を立ち上げた。情報発信などを通じて、果実を活用した地域振興に力を入れていく考えだ。

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