経産相辞任で国会空転 日米協定 審議に影響 課題多く時間不足も

 衆院外務委員会は25日、予定していた日米貿易協定承認案の審議入りを来週に持ち越した。公設秘書が地元有権者に香典を渡した疑惑が報じられ、経済産業相を同日辞任した菅原一秀氏の説明責任を巡り、野党が反発したためだ。政府・与党は今国会での承認を目指すが、農産品の影響試算の根拠や牛肉セーフガード(緊急輸入制限措置=SG)の見直し協議の行方など論点は多く残されており、審議時間を十分に確保できるかが焦点だ。

 日米両政府は、2020年1月1日の協定発効を目指す。発効時期は、両政府が国内手続きを終え、互いに通知した「30日後または両国が決める日」と決めている。米国は大統領の権限で可能な関税の削減・撤廃にとどめて議会審議を省略するため、日本の手続きが完了すれば発効の条件が整う。与党は発効時期を見据え、11月中の国会承認を目指す。

 今臨時国会の会期は12月9日まで。憲法の衆院優越の規定により、協定承認案は会期中に衆院で可決し、参院に送付した後、30日で自然承認となる。会期中の承認へ、与党は11月上旬までに衆院での可決を目指す。

 承認案は24日の衆院本会議で、安倍晋三首相らが出席して審議に入った。25日の衆院外務委員会で茂木敏充外相が趣旨を説明する予定だった。

 野党は、菅原氏が同日の衆院経済産業委員会に出席しなかったことに反発。外務委をはじめ同日予定されていた全ての委員会を取りやめることで与野党が合意した。審議入りがずれ込んだため、十分な審議時間を確保できるかは不透明感が増している。

 一方、協定を巡る論点は多い。政府は協定発効に伴い、農産品の生産額が600億~1100億円減少すると試算。国内対策によって生産量も農家所得も減らないと説明するが、国内対策の方向性が示されておらず、野党は根拠に乏しいと批判を強める。

 牛肉SGを巡っては、米国分を含んだままTPPの基準と米国向けの基準が併存する。TPP参加国へのSGの機能をどう確保するかが焦点だ。

 野党側は農林水産委員会との連合審査などを求めている。

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