和牛知財保護へ検討開始 遺伝資源の使用規制 農水省

 農水省は25日、和牛の精液や受精卵を知的財産として保護するための新制度の検討に着手した。有識者による専門部会の初会合を開催。遺伝資源を家畜改良の成果のデータとして位置付け、不正な方法での取得や認められた範囲を超えた使用・譲渡などを規制する方向で議論する。同省は部会の議論を踏まえ、法案をまとめる方針だ。

 精液・受精卵の国外流出防止対策の一環。有識者検討会の議論を踏まえ、国内の管理強化策を盛り込んだ家畜改良増殖法改正案を来年の通常国会にも提出する考えだ。

 精液・受精卵の知的財産の保護は、中長期的な検討課題だった。植物と違い、生まれてくる個体の形や能力にばらつきがあることや、保護の裏付けとなる国際条約がなく、所有権などを守る制度設計の難しさが長年、指摘されてきたためだ。

 専門部会では、精液・受精卵を家畜改良の成果で出来上がった重要なデータと位置付け、規制・制度を作る方向で議論する。価値の高いデータの不正取得や使用を取り締まれるよう、7月に施行された改正不正競争防止法(不競法)による規制も参考に議論する。

 同日の会合で弁護士の林いづみ氏は、和牛の登録制度に触れ、改正不競法で不正流通を取り締まっている営業秘密やデータに比べて「情報の特定が容易」と指摘した。

 保護の強化と改良促進をどう両立するかも課題だ。弁理士の越智豊氏は「現場の負担を変えずに、どのように法制度をつくるか(が大切)」と訴えた。家畜改良事業団の高橋勉理事は「正規の取り組みや努力の制限にはつながってほしくない」と慎重な検討を求めた。

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