[あんぐる] 光の食卓夢心地 夜の果樹園(福島市)

「夜の果樹園」の会場で、ライトアップしたリンゴの木に囲まれて料理を楽しむ参加者。幻想的な風景が話題になっている(福島市で)

 日が暮れた後の果樹園を新たな観光資源に生かす挑戦が福島市で進んでいる。実ったリンゴや桃の木を幻想的にライトアップした園地で、果実狩りや県産食材のディナーを楽しむもので、その名も「夜の果樹園」。来年の本格実施を目指す。

 市内のまるせい果樹園で10月23日、リンゴの実りに合わせた「夜の果樹園」が開かれた。

 午後6時ごろ、復興庁が催した福島県の食などを体感するツアーの参加者およそ30人が到着。カウントダウンとともに約500個の電飾が一斉にともり、暗闇に収穫期を迎えたリンゴ「陽光」の実が浮かび上がると歓声が上がった。

 参加者は、この光景をインターネット交流サイト(SNS)に載せようと盛んに写真を撮り、昼間とは一味違う夜のリンゴを満喫した。園主の佐藤清一さん(49)の手ほどきを受けてリンゴ狩りを楽しみ、市内の人気店のシェフが腕を振るった福島牛のステーキや、同市産の地酒「金水晶」などを味わった。
 
リンゴの木に電飾を取り付ける作業は、収穫間際の実に注意して慎重に行う

 「夜の果樹園」は、桃などの大産地である同市の木幡浩市長が県内で撮られた夜の桃園の写真を見て観光資源化を思い付いたことを発端に、市内の有志による実行委員会が始めた。

 2018年9月に同園で初めて行って以来、プレオープンと位置付けて夏は桃、秋はリンゴの園地で不定期に開く。20年からの本格実施に向けてノウハウを蓄えてきた。

 来年からはサクランボ畑でも開く予定で、夜の行楽として定着を目指す。特に東京オリンピック・パラリンピックで来日する外国人観光客に、福島県の食や農業をアピールする考えだ。

 実行委員で、SNSによる自治体などの情報発信を手助けする会社、SMLで代表取締役を務める熊坂仁美さん(59)は「農地はエンターテインメントの場になる可能性を秘める。あまり訪れる機会がない人にも農業の魅力を伝えたい」と話す。(釜江紗英)

「あんぐる」の写真(全5枚)は日本農業新聞の紙面とデータベースでご覧になれます    

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