あと1年-再選狙うトランプ氏の思惑 「成果」日米協定だけ 農業で「第2弾」攻勢も

 2020年11月3日の米大統領選投開票まで1年を切った。再選を狙うトランプ大統領は、日米貿易協定を貿易政策の成果として誇示する見通し。だが、日米協定以外に主だった成果は得られていない。前回選挙では、貿易不均衡への対抗を強く打ち出して当選を果たしただけに、数少ない成果である日米協定の「第2弾」の交渉などを視野に強硬な姿勢を示し、米国内の支持獲得を狙う可能性がある。
 

北米、対中 足踏み


 共和党のトランプ氏は、16年の大統領選で、環太平洋連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉、中国との貿易不均衡是正を掲げた。ただ、NAFTAは新協定に署名するも議会審議に入れず、発効の見通しは立っていない。中国とは追加関税の応酬が続き、終息していない。

 TPP離脱は実現したが、米国の対日輸出条件がTPP加盟国よりも劣る状態になり、米国の農業者・団体の不満が増幅する結果となった。

 農産品で譲歩を引き出した日米協定が「貿易政策で目立った唯一の成果」(日本の外交筋)とする見方が多い。
 

切り札の貿易も


 支持固めを狙うトランプ氏にとって、貿易政策は貴重な切り札となる。

 大統領選は来年2月3日、アイオワ州での共和、民主両党の党員集会を皮切りに本格化する。同州は選挙戦を左右する中西部の州の一部で、トウモロコシ生産が盛んな「コーンベルト」の一角だ。8月の日米首脳会談でトランプ氏が日本への大量のトウモロコシ輸出に言及したのも、大統領選を見据えたものとみられる。

 日米貿易協定には、農業分野での再協議規定など、「第2弾」の交渉の余地を残す。選挙戦の中で、再協議や対日関係貿易関係について、トランプ氏が新たな言及に踏み込む可能性がある。

 自動車・同部品への追加関税を発動するかどうかも注目される。これまでも発動をちらつかせてカナダやメキシコ、日本との交渉を有利に進める「脅し」として機能した。大統領選をにらみ今月13日の期限までに、どう判断するかが焦点だ。
 

民主党内も混戦


 トランプ氏と対決する民主党候補の争いは混戦だ。貿易政策では、トランプ氏が否定し続けてきたTPP復帰に対し、民主党の有力候補、バイデン氏は、TPPを推進したオバマ前政権の副大統領を務めたにもかかわらず、「元の協定のままでは加盟しない」と再交渉の必要性を訴える。

 日本政府関係者は「TPPを否定して当選したトランプ氏の残像があり、復帰は主張しにくい」と指摘する。
 

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