関東での豚コレラまん延防げ 市場ピリピリ 消毒、監視を徹底 初動万全に

群馬県食肉卸売市場では、担当者を増員して車両消毒作業を徹底している(群馬県玉村町で。写真の一部を加工しています)

 全国有数の養豚産地を抱える関東での豚コレラまん延を防ごうと、各地の食肉市場が厳戒態勢を敷いている。各市場では消毒や監視を強化し、拡散防止策を徹底。一部地域では豚への予防的ワクチンの接種が始まり、出荷受け入れに向けた体制整備も進む。緊張感が高まる中、生産者や市場、流通関係者らが一体となった防疫の重要性が増している。

 豚の取引頭数が全国最多を誇る群馬県食肉卸売市場では、対策の一環で独自に5段階の危機レベルを設定した。近県での発生や県内の野生イノシシでの感染確認を受け、現在は最高レベルに近い「4」に照準、防疫を強化している。

 10月下旬、万が一異常がある豚が場内で確認された場合の初動などを確認する、初の模擬訓練を実施。1年以上かけて検討を重ねてきたマニュアルに基づき、役職員らが現場対応や関係先との連携などを再確認した。日々の防疫でも車両消毒作業員の増員や出入り口を一方通行にする改修などを進める。

 同市場の萩原宣弘社長は「全国トップクラスの群馬県の養豚業を守るためにも、市場として最大限の対策を徹底する」と話す。11月中旬以降を予定するワクチン接種豚の受け入れも、国の防疫指針に基づき、県などと調整しながら万全の態勢を整える方針だ。

 千葉や茨城、群馬、岩手など広域からの出荷がある東京都中央卸売市場食肉市場では9月中旬以降、ウイルスの拡散防止のための対策を強める。これまで2カ所だった退場口を1カ所に限定。24時間態勢で、車両の出入りの監視と消毒作業に当たる体制を整備する。場内各所に変更点を伝える張り紙を掲示し、出入り業者らへ周知する。

 担当者は「市場が率先して防疫を強化し、関係者の意識を高めたい」と話す。11月後半をめどにワクチン接種豚の受け入れも始まる見込みで、出荷の時間や曜日を他の豚と分けるなど、防疫マニュアルや体制整備に向けた検討を進める。

 各市場は、出荷者や購買者ら数多くの人や車両の出入りがあり、県をまたいでの行き来も多い。各市場によると、関東の主要市場の大半が、万が一の発生に備えた対策を強化。豚の扱いがない市場でも車両消毒の方法を変えるなどの対応を取る。関東7都県の豚の飼養頭数は約234万頭(2018年)で全国の25%。豚コレラの感染拡大に歯止めがかからず危機感が高まっている。
 

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