親と上司は選べないという

 親と上司は選べないという。昨今、上司を見限る部下も多いので、そうともいえない。友人はどうか。こちらは選べる▼良き友人を持つことは、人生の宝であろう。老境に至ると、なおさらそう実感する。年齢に比例し、友人が少なくなる。そもそも少ない。友とは何か。悪友ほど付き合いが深かったりする。良友と悪友の境い目はどこに▼かの時代の人気エッセイスト吉田兼好の『徒然草』に見分け方がある。現代風に意訳すると、良き友は「物をくれ援助をしてくれる人」「お医者さん」「知恵者」。こんな3人の友がいれば心強い。では悪い友とは。「お偉いさん」「青二才」「酒飲み」「欲張り」「うそつき」など。むべなるかな。うなずきながら、わが身を省みる▼俳人、正岡子規は、友人を「良友」「旧友」「郷友」「酒友」などに分類した。ちなみに日本海軍の参謀、秋山真之は「剛友」。尊敬してやまなかった夏目漱石は「畏友」であった。現代の俳人、坪内稔典さんは「書友」「音友」「食友」「職友」などと名付けて楽しんでいる▼かのブッダは、良き友とは苦楽を共にし、甘言でなく忠言する人だと教えた。さて閣僚の辞任ドミノでほころびが目立つ「お友達内閣」。安倍首相や菅官房長官には、真の良友が少なかったとみえる。

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