[アグリ×アート](5) まるで名画、まるで人

ミレーの「落穂拾い」を模したかかしを手直しする森中さん。周囲の景色を背景に生かしている(奈良県安堵町で)

 農家らが手掛けた創作かかしも、アートの域に迫る。奈良県安堵町では、19世紀のフランスの画家、ミレーの名作「落穂拾い」を再現したかかしが地域のシンボルになっている。

 作者は同町で布団工場を営む森中茂さん(69)。廃材の骨組みに綿を巻いて古着を着せ、ミレーが描いた人物に近いポーズで固定。近くに立てた枠越しに見れば、絵画のように鑑賞できる。

 森中さんは元農家。2010年に所有する水田で、昔の農作業などを模したかかしを作り始めた。16年からは、「麦一粒を大切にする姿が、子どもの頃に稲刈りを手伝った記憶と重なる」と感じた「落穂拾い」の再現に挑戦。完成後「農村で名画が見られる」と大勢のギャラリーが集まった。

 今では地元農家らも、かかし作りに加わり、「落穂拾い」の周りに約40体が並ぶようになった。森中さんは「驚くようなかかしを作り続けたい」とアイデアを練る。(おわり)
 

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