立冬。宴会シーズンを前に、ホテルの担当がつぶやく

 立冬。宴会シーズンを前に、ホテルの担当がつぶやく。「食べ残しが多くなるシーズンなんですよ。特に新年会がひどい。胸が痛みますよね」▼日本で1年間に捨てられる食べ物、実に643万トン。先進国最低の食料自給率にして、食品ロス大国。この不名誉な称号を返上しようと、飲食業界でも取り組みが進む。食品残さを肥料として生かすエコフィードもその一例▼さいたま市の「パレスホテル大宮」は、およそ20年前から、野菜くずを有機肥料にして、市内の野菜農家に安く提供する。今は8戸の農家がその肥料で育てたトマトやホウレンソウなどをホテルに卸す。地域の中で食と農がぐるりとつながっている▼ホテル地下の高速発酵処理装置を見せてもらった。一日最大450キロの野菜くずを24時間で1次発酵させる。「資源を無駄なく循環させることで地産地消にも貢献できます」と担当者。施設見学付きのランチ企画もあり、ホテル産肥料は食育も担う。大阪市は「食べ残しあかんでOSAKA」運動を推進する。小盛りメニューなどで食べ残しゼロを目指す店を登録し、7企業90店舗に広がった▼食品ロスをおにぎりに換算すると、国民が毎日1・5個を捨てている計算になる。あなたが捨てた食べ物で、誰かの命を救えたかもしれない。

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