次世代人材投資事業 就農促進へ緊急補填 減額批判に配慮 農水省

 農水省は、新規就農者に年間最大150万円を交付する「農業次世代人材投資事業」で、2019年度予算が前年度に比べ減額となり自治体や新規就農者らが混乱した問題を受け、緊急補填(ほてん)を始めた。経営開始型の新規採択を予定する新規就農者に交付を決定できないなどの影響に対応したもの。同省は「今年度限りの緊急的な対応。来年度からは、予算の範囲内で必要な対象者に交付したい」と説明している。  
 
 同事業の19年度予算は154億7000万円で18年度の175億3400万円に比べ20億円以上減額した。17年の行政改革推進会議で事業の効果に厳しい指摘があった他、緊縮財政から財務省の予算削減圧力が強いことなどが理由だ。

 一方で19年度、支給対象年齢を原則45歳未満から50歳未満に引き上げたことで対象者が増え、交付を受けられない事態が起きた。自治体などからは「この予算では、新規採択だけでなく継続も含めて厳しい」「頼りにしていたのに、はしごを外された」などの批判が相次いでいた。

 同省は「年齢や就農意欲など要件に当てはまっても、全員がもらえる支援ではない」と予算内で対応する方針だったが、現場の声を受けて協議。7月末の執行状況を自治体から聞き、同事業の前身である青年就農給付金の基金を取り崩すなどして6億円を確保、9月末に追加配分した。一層の追加配分の必要性を調べ、不足分は省内調整などで確保し、年内をめどに対応する考えだ。

 同省の対応に「新規就農者育成に水を差す事態が防げた」(自治体関係者)などと、安堵(あんど)の声が上がる。

 同省は同事業の20年度予算の概算要求に164億7700万円を計上する。19年度当初予算比約10億円増、18年度比約10億円減だが、予算額は財務省との協議で年末に決まる。ある県は「この概算予算額では満額でも来年度以降、再び混乱するのでは」と懸念する。

 基金の積み立ては今回の緊急対応でなくなる見通し。同省は「来年度は必要性がより高い人に交付する。対象に当てはまっても必ずもらえる支援ではない事業趣旨を周知し、混乱が起きないようにしたい」としている。
 

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