自給率、農地など数値目標 基本計画実態と乖離 策定時より減産品目も 見直しへ検証必須

 現行の食料・農業・農村基本計画に定める食料自給率目標や品目ごとの生産努力目標、農地面積など、数値目標のほとんどについて、達成の見込みが立っていないことが農水省の資料で分かった。現行計画の策定前より数値が悪化した品目も目立ち、目標との差が拡大している。同省は基本計画の見直しに着手しているが、計画の着実な推進には何が足りなかったのか、目標は適切だったかを含め、丁寧な分析と政策の検証が欠かせない。

 現行計画では、2025年度に食料自給率をカロリーベースで45%にする目標を掲げる。計画策定前の13年度に39%だった自給率は、18年に37%に低下し、過去最低に落ち込んだ。目標との差はさらに広がった。一方、生産額ベースの自給率は18年で66%と、13年から横ばいだった。

 同省がまとめた進捗(しんちょく)状況によると、品目ごとの生産努力目標は、基準年の13年に比べて生産量を減らす目標を設定している米と鶏卵、維持の鶏肉、増産を目指すテンサイを除く11品目で達成が困難な状況にある。特にジャガイモや野菜、果実、生乳などは13年に比べ生産量が落ち込む。小麦や大豆、サトウキビは目標との乖離(かいり)が大きい。

 畜産物は目標を上回るものもあるが、輸入飼料への依存度は高いままで、飼料自給率は18年に25%となり13年比1ポイント低下。目標の40%は遠い。

 13年に453万ヘクタールを超えていた農地面積は、減少の流れを抑えきれない。現行計画では、成り行きに任せれば毎年2・9万ヘクタール減少し、25年には420万ヘクタールに減少するところを施策の効果によって、440万ヘクタールに抑える目標を掲げる。

 だが、荒廃農地が見通しを上回って発生したため、直近の19年で439万7000ヘクタールと6年先の目標面積を既に下回る。耕地利用率も上がらず、延べ作付面積は目標との開きが拡大している。

 新たな基本計画では、目標を再び設定する。基本計画を検討する同省の食料・農業・農村政策審議会の企画部会では、目標設定に向けて「施策の方向性を明確にすべきだ」、自給率引き上げへ「国民的議論が必要」などの意見が出ている。

 同省は企画部会での議論や地方意見交換会などを経て、来年1月にも計画の骨子案を示す。その後、審議会の答申を受け、3月末に新たな基本計画を閣議決定する。
 

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