種で作ろう花飾り Xマス、正月華やかに
2019年11月29日

「市販のクリスマスリースや正月飾りに付けると、華やかになる」と話す大嶋さん(京都市で)
身近にある野菜や花の種で、アクセサリーやインテリアの小物を作ってみませんか? 「たねアート」を提案するタキイ種苗(本社・京都市)の大嶋優子さん(43)に、クリスマスや正月の飾りに利用できる花飾りの作り方と楽しみ方を聞きました。
大嶋さんは、女性社員が中心となって立ち上げた「たねぢからプロジェクト」のメンバーです。大嶋さんらは、色や形、模様などが個性的でかわいらしい種の魅力に着目。「検査基準を満たさず廃棄される種を利用して、魅力を伝えたい」と、種を使った作品作りを始めました。
紹介する花飾りは円形の台紙の上に、花びらや花芯に見立てた種を貼って作ります。特別な道具は使わないので、誰もが手軽に楽しめるのが特徴です。
「台紙の裏にブローチピンを付けてアクセサリーにしたり、磁石を付けてメモを挟むマグネットにしたりと、いろいろな楽しみ方ができる」と大嶋さん。マニキュアのトップコートを塗るとつやや光沢が出て、耐久性も高まります。色を付けるときはアクリル絵の具を使いましょう。
野菜を食べた後に残った種を利用する場合は、水で洗い、しっかりと乾かしてから使います。10センチ角ほどの紙の上に台紙を置いて作ると、作りやすくて便利です。
花飾りの手作りキット「フラワーマグネット」は、同社のネット通販で販売しています。

動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=gM6T52tS_QE
大嶋さんは、女性社員が中心となって立ち上げた「たねぢからプロジェクト」のメンバーです。大嶋さんらは、色や形、模様などが個性的でかわいらしい種の魅力に着目。「検査基準を満たさず廃棄される種を利用して、魅力を伝えたい」と、種を使った作品作りを始めました。
紹介する花飾りは円形の台紙の上に、花びらや花芯に見立てた種を貼って作ります。特別な道具は使わないので、誰もが手軽に楽しめるのが特徴です。
「台紙の裏にブローチピンを付けてアクセサリーにしたり、磁石を付けてメモを挟むマグネットにしたりと、いろいろな楽しみ方ができる」と大嶋さん。マニキュアのトップコートを塗るとつやや光沢が出て、耐久性も高まります。色を付けるときはアクリル絵の具を使いましょう。
野菜を食べた後に残った種を利用する場合は、水で洗い、しっかりと乾かしてから使います。10センチ角ほどの紙の上に台紙を置いて作ると、作りやすくて便利です。
花飾りの手作りキット「フラワーマグネット」は、同社のネット通販で販売しています。
「たねアート」の作り方

動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=gM6T52tS_QE
おすすめ記事
集落営農の持続性 広域連携と再編が鍵に
JA全中が開いた全国集落営農サミットは、これまでで最高の140人が参加した。存続の岐路に立つ集落営農組織の危機感を反映したものだろう。同サミットでの先進事例に学び、持続可能な地域農業確立へ広域連携と組織再編を急ぐべきだ。
第4回となる同サミットのキーワードは「広域化」「連携」「再編」の三つだ。総活役を務めた広島大学大学院の小林元助教は「生産基盤が大きく揺らいでいる。集落営農はあくまで手段。持続可能な地域に向け、今こそ知恵を絞る時だ」と強調する。JAグループは、今春の第28回JA全国大会で「集落営農組織間の広域連携、再編などによる規模拡大を支援する」と決議した。背景には、高齢化が進む中で地域農業の地盤沈下に歯止めがかからない実態がある。集落営農は「地域丸ごと」で農業を支える仕組みだ。だが、今の経営単位では存続が難しくなっている。
同サミットを肱岡弘典全中常務は「高齢化が進む中で集落営農組織は構造的課題を抱えている。米価変動リスクも高まる中で、情報交換を通じ今後の組織の在り方を考える大きな契機だ」と位置付ける。関係者に改めて衝撃を与えたのは、日本農業新聞の1面連載「ゆらぐ基 危機のシグナル」の10月4日付「集落営農の解散」だ。採算が悪化し集落営農組織の解散が増えている。今年2月現在の集落営農数は約1万5000で、前年より1%減った。組織が倒れたら、引き受けた農地が耕作放棄地になりかねない。
同サミットで発表された事例は、広域化、組織合併、あるいは地元JAと連携し別組織で試練に対応した。1集落単位では採算が取れず、コスト低減にも限界がある。最も深刻なのは、高齢化が進み、組織のリーダーやオペレーターの人材不足だ。
広島県東広島市高屋町の農事組合法人重兼農場は世代交代を一気に進め持続可能な集落営農を実践する先進事例と言えよう。同農場は設立から30年。発足時に生まれた30歳の山崎拓人さんが組合長を務める。前組合長は79歳。世代交代は、地域農業を守り次代につなぐ組織を最優先した結果だ。さらに個人―集落営農―共同組織の「3階建て」から成る広域連携の仕組みを作った。昨年、同農場を含めた地域内の5集落営農組織と地元JAで共同出資会社・ファームサポート広島中央を設立。その結果、より広域な農作業受託が可能となり、市内全域の農地維持が進む。
中山間地の岐阜県白川町にある農事組合法人ファーム佐見は3組織を合併した全国でも珍しい事例だ。組合員の意思統一や合併手続きでの曲折などは、再編による今後の新組織立ち上げの大きな参考になる。
今、重要なのは集落間連携による集落営農の新たな展開である。先進事例を参考に、地域の身の丈、サイズに合った地域農業の再生に知恵を絞りたい。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年12月13日

Kura Gelate(クラ ジェラート) 宮城県大崎市
日本酒「宮寒梅」の醸造元である宮城県大崎市古川の合名会社、寒梅酒造が販売するオリジナルアイス。味は「古川いちごジェラート」「大吟醸酒粕(さけかす)ジェラート」「大吟醸酒粕&古川いちごジェラート」の3種類。同酒造の酒粕とJA古川いちご部会が生産した「古川いちご」を使用する。
商品開発をした同酒造の岩崎真奈さんは「古川にもおいしいイチゴがあることを知ってもらい、大人だけでなく、子どもにも喜んでもらえればうれしい」と話す。
1個(90ミリリットル)350円(税別)。同酒造で販売。全国発送もしている。問い合わせは合名会社寒梅酒造、(電)0229(26)2037。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年12月10日

農地減少 政府想定上回る 荒廃、転用2倍ペース 対策見直し必須
耕作放棄や農地の転用による農地面積の減少が農水省の想定を上回って進んでいる。2015~19年の5年間に発生した荒廃農地は7万7000ヘクタール、農地転用は7万5000ヘクタールに上った。それぞれ同省が想定した2・5倍、1・5倍のペースで増えた。農地の再生が一定程度進んだものの、新たな荒廃農地の発生や転用に追い付かない状況だ。
農地は1961年をピークに一貫して減少し、2019年は439万7000ヘクタールまで落ち込んだ。政府が15年に策定した食料・農業・農村基本計画に掲げる25年の確保目標440万ヘクタールを既に下回った。
19年までの5年間の減少面積は12万1000ヘクタールに及ぶ。同省が変動要因を分析したところ、5年間で新たに発生した荒廃農地と農地以外に転用された面積は、合計で15万2000ヘクタールに上る。一方、再生された農地面積は3万2000ヘクタールにとどまり、減少要因が増加要因を大きく上回った。
基本計画では、荒廃農地と農地転用を合計で8万1000ヘクタールにとどめつつ、2万7000ヘクタールの農地を再生することで、農地の減少を5万4000ヘクタールに抑える想定だった。
同省は、中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払制度を使って農地保全に取り組んだ地域は耕作放棄が抑制され、農地の再生も想定以上に進み、政策が効果を発揮したとみる。一方、「高齢化の進展や担い手不足などで新たな荒廃農地の発生が大きく見通しを上回った」(農村振興局)と認める。
現行の対策だけでは、農地減少が十分に食い止められていないことが明らかになった格好。将来にわたり農地を確保するため、より踏み込んだ対応が求められそうだ。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年12月14日

[あんぐる] 作る・自然の恵み 創る・自分の芸術 高須ハウス(茨城県取手市)
茨城県取手市に、芸術家が創作活動と農作業に取り組むアトリエ「高須ハウス」がある。かつてJAだった建物で作品制作、農家から借りた畑で作物と“半農半芸”の姿勢で活動に励み、住民が集まる芸術を生かした町づくりの拠点にもなっている。
この施設は、1999年までJA茨城みなみ高須支所だった2階建ての建物を改修して2013年2月にオープンした。広さ約120平方メートルの1階をアトリエなどに使っている。受付カウンターがあった一角など、あちこちにJAだったことが分かる跡があり、敷地にはブルーベリーの木も植えられている。
主な農作業の場は、近くにある広さがテニスコートほどの畑だ。素材として和綿を作ろうと考えた芸術家が15年に耕作放棄地を借り、その後も、同施設を使う芸術家が耕作を続けている。現在はシソやネギなどを植え、芸術家が自分で食べる他、市内にある東京芸術大学取手キャンパスの食堂にも提供している。
今までに壁画家や映像作家ら、11人と2組が、1、2カ月間利用した。芸術家は作り上げた作品を地域住民らに披露する展覧会を開いた後、当地を離れるのが恒例になっている。
この施設は1999年に発足した市と同大学、市民で展開する「取手アートプロジェクト(TAP)」の取り組みの一つ。NPO法人取手アートプロジェクトオフィスが運営し、芸術家が先生役となった糸紡ぎ体験など、市民が芸術に触れる機会を増やす場にもなっている。
畑で野菜の手入れをする秋良さん。農作業から作品に生かすアイデアを得たという(写真左)。高須ハウスの外観。窓が多く開放的で、制作の様子を見に来る地域住民も多い
鑑賞者を巻き込む劇場型の作品で知られる現代芸術家の秋良美有さん(25)は今年10月、台風19号で壊れた藤棚の木材を舞台芸術に活用する構想をここで練り、畑仕事にも打ち込んだ。
秋良さんは「畑は心に余裕がないと雑草だらけになるなど、自分の今を映す鏡のようで面白い。創作と私流の農業を両立させたい」と話す。(釜江紗英)
「あんぐる」の写真(全5枚)は日本農業新聞の紙面とデータベースでご覧になれます
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年12月16日

国産食材だけでカロリー確保なら 夕食はご飯焼き魚だけ 自給力低下あらわに 農水省推計
ご飯1杯と焼き魚1切れ──。農水省がこんな衝撃的な夕食メニューを示した。輸入食材に一切頼らず、国内の農地を目いっぱい使って食料を生産し、できるだけ多くの供給熱量を確保しようとした時に想定される食事だという。
同省は、国内の農地を最大限に活用した場合にどれだけの食料を生産できるかを表す「食料自給力」を推計している。
2018年の農地面積などを基に同省が計算した結果、米や小麦、大豆を中心に作付けするパターンでは、荒廃農地を再生利用しても、国民1人1日当たりに供給できる熱量は、1829キロカロリーと、体重維持に必要なエネルギー量2143キロカロリーに満たず、終戦直後の摂取熱量2000キロカロリーも下回る。
冒頭の夕食はその食事の一例だ。牛乳は3日にコップ1杯、鶏卵は10日に1個、焼肉は5日に1皿しか食べられない。
栄養バランスを一定に考慮すると、供給可能な熱量はさらに低下し、1429キロカロリーとなるという。
一方、芋類を中心に作付けすれば供給可能な熱量を2633キロカロリーまで上げることができ、輸入を含めた供給熱量の実績2443キロカロリーを上回る。ただ、この時の夕食は焼き芋2本、野菜炒め2皿、粉吹き芋1皿、焼き魚1切れといった具合だ。牛乳は5日に1杯、鶏卵は3カ月に1個、焼肉は19日に1皿になる。
食料安保か 飽食優先か
今回の推計は「日本の食料の潜在生産能力を示し、国民の共通理解を醸成する」(同省)狙いだ。
冒頭の食事メニューを見て、食料安全保障のためにも国内の農地や農業をきちんと守らなければならないと考えるのか、国産だけで豊かな食生活を続けるのは無理だから輸入に頼るしかないと思うのか。人によって反応は分かれそうだ。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年12月16日
動画ニュースの新着記事

[営農ひと工夫] 積み重ね最大50束 はさがけ台組み立て簡単 岐阜県富加町の吉田さん考案
岐阜県富加町の吉田正生さん(65)は、鉄製パイプを組み合わせ、短時間で作成できる「はさがけ台」を考案した。シンプルな構造だが、稲穂を最大50束掛けることができる。稲穂を掛ける土台を回転するように工夫し、日当たりを調節できるようにした。材料はホームセンターで購入でき、費用は3000円程度という。
材料は鉄製パイプと金具、鉄製のくいだけ。まずは、鉄製のくい1メートルを地面に約30センチ埋め込み、金具で2メートルの鉄製パイプとつなげる。つなげたパイプと垂直になるように、収穫した稲穂を掛ける台として80センチに切ったパイプを取り付ければ完成。吉田さんは「組み立ての作業時間は5分以内で終わるので楽。誰でもすぐに作ることができる」とアピールする。
稲穂は最初の1束だけパイプを挟むように二つに分けて掛ける。2段目以降は、下段の稲穂から90度回転して2束ずつ重ねる。高さは、縦に取り付ける鉄製パイプの長さで調節でき、最大2メートルで50束を掛けることができるという。
吉田さんがこのはさがけ台を考案したのは昨年。昨年は鉄製パイプ3本を正三角形に組み合わせて使っていたが、風通りが悪く、一部の稲穂にかびが生えたという。今年は鉄製パイプ1本ではさがけができるように改良。土台部分のパイプはねじを少し緩めれば回転でき、日光の当たり方を変えることが可能だ。今のところかびの発生はないという。晴天日が3日あれば1週間程度で、乾燥機にかけなくてもよい程度の乾燥度合いになる。穴を開けた防水シートを穴から鉄製パイプに通し、シートで稲穂を覆うことで雨風対策もできる。
吉田さんは「コシヒカリ」などを1ヘクタールで栽培する。そのうち20アールで栽培する水稲もち品種「モチミノリ」は、全て考案した方法で乾燥させる。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=Fbj_omjeE9A
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年12月04日

種で作ろう花飾り Xマス、正月華やかに
身近にある野菜や花の種で、アクセサリーやインテリアの小物を作ってみませんか? 「たねアート」を提案するタキイ種苗(本社・京都市)の大嶋優子さん(43)に、クリスマスや正月の飾りに利用できる花飾りの作り方と楽しみ方を聞きました。
大嶋さんは、女性社員が中心となって立ち上げた「たねぢからプロジェクト」のメンバーです。大嶋さんらは、色や形、模様などが個性的でかわいらしい種の魅力に着目。「検査基準を満たさず廃棄される種を利用して、魅力を伝えたい」と、種を使った作品作りを始めました。
紹介する花飾りは円形の台紙の上に、花びらや花芯に見立てた種を貼って作ります。特別な道具は使わないので、誰もが手軽に楽しめるのが特徴です。
「台紙の裏にブローチピンを付けてアクセサリーにしたり、磁石を付けてメモを挟むマグネットにしたりと、いろいろな楽しみ方ができる」と大嶋さん。マニキュアのトップコートを塗るとつやや光沢が出て、耐久性も高まります。色を付けるときはアクリル絵の具を使いましょう。
野菜を食べた後に残った種を利用する場合は、水で洗い、しっかりと乾かしてから使います。10センチ角ほどの紙の上に台紙を置いて作ると、作りやすくて便利です。
花飾りの手作りキット「フラワーマグネット」は、同社のネット通販で販売しています。
「たねアート」の作り方
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=gM6T52tS_QE
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年11月29日

「市田柿」 こく、うまみを楽しもう 長野・JAみなみ信州
長野県南信州地域特産の干し柿「市田柿」は、あめ色の果肉と小ぶりな外観で、もっちりとした食感と上品な甘さが特徴です。JAみなみ信州管内では、11月下旬から出荷が始まります。高齢化が進む生産現場での品質と生産量の確保に向けた取り組みやこだわり、風味を引き出す食べ方を紹介します。
栽培500年 歴史伝える
「市田柿」は渋柿の品種名であり、それを干し柿にしたものも指します。現在の高森町市田地区で栽培されていたことが名前の由来で、500年以上といわれる栽培の歴史があります。干し柿としての「市田柿」は2016年に農水省の地理的表示(GI)保護制度に登録されました。
JAみなみ信州管内では、柿部会に所属する約1800戸が、約260ヘクタールで栽培しています。JAは19年度、取扱数量1200トン、販売額25億円を計画しています。
柿の品質が、加工後の出来を左右します。農家は、柿の状況を見ながら剪定(せんてい)や摘果、防除などを行い、10月下旬の収穫に向けて作業を進めます。
「今年は大きさも甘味も十分。ぽってりとしたおいしい市田柿ができると思う」と太鼓判を押すのは、JA柿部会上郷支部長の井坪功さん(74)です。井坪さんは、11月上旬に家族や親戚などで手分けをして柿の皮をむき、柿のれんを作ってつるす作業などに汗を流しました。
生産・加工を後押し
おいしい「市田柿」作りを後押しするのが、地域の気候です。東西を中央アルプスと南アルプスに挟まれた盆地で、その間に天竜川が流れています。晩秋から冬にかけて朝に発生する川霧が、鍵となります。柿が一気に乾かないようにする天然の加湿器の役割を果たし、独特のもっちり、ねっとりとした食感を生み出すといわれます。
JAは品質と生産量の確保に向けて13年、加工や包装、荷造りを担う施設「市田柿工房」を設立しました。高齢化などで加工まで手が回らない農家から、生柿での出荷希望が増えてきたことも背景にありました。19年9月には工房を拡張。生柿を受け入れる能力は、従来の2倍の年間600トンに強化。「市田柿」生産の拠点となっています。
栽培面では、JA出資法人「市田柿本舗ぷらう」が活躍します。同社は、高齢化などで維持・管理が難しくなった農家の8・5ヘクタールと、遊休農地を活用した13ヘクタールで柿を栽培しています。古木誠専務は「市田柿は3週間ほどの短い期間で一気に収穫しなければならず、労力が必要だ。今後も産地のブランド維持のために頑張りたい」と意欲的です。
<ショッピングメモ> JAみなみ信州の農産物直売所「りんごの里」など管内の農産物直売所の他、全国のスーパーや百貨店などで購入できます。
市田柿のブルスケッタ
「市田柿の魅力は、他のドライフルーツにはない圧倒的なこくとうま味が詰まっていること。長年、農家が作ってきた市田柿は地域の宝だ」と語るのは、長野県飯田市にあるシルクホテルのレストラン「カジュアルダイニングフルフル」で西洋料理の料理長、秦峰男さん(40)です。
今回紹介するのは「市田柿のブルスケッタ」。赤ワインと砂糖を煮詰めたシロップに「市田柿」を漬けて作ったコンポートにクリームチーズを混ぜたものや、生ハムなどを、薄切りにしたフランスパンの上に載せて楽しむものです。
「市田柿」の表面を覆う白い粉がこの料理のポイントとなります。秦さんは「白い粉は、柿を干した時に発生するブドウ糖だ。この粉が煮詰めたワインに溶けることでコンポートにこくが生まれる。濃厚なクリームチーズとの相性が抜群だ」と解説します。
コンポートはアイスクリームに添えたり、汁を煮詰めてソースにして肉に掛けたりします。食材の味が引き立ち、用途の広さも魅力だといいます。
<カジュアルダイニングフルフル> 地産地消を基本に料理を提供。ランチは午前11時半~午後2時。ディナーは午後5時半~午後9時。JR飯田駅から徒歩3分。長野県飯田市錦町1の10。(電)0265(23)8383。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=etP3zKSUc74
2019年11月23日

JA、社協、NPO…農業ボランティア結成 園地復旧 救いの手 泥撤去に400人 長野市
台風19号で甚大な被害を受けた長野市で14日、ボランティアによる農地の復旧支援が始まった。JAながのや長野県NPOセンターなどが、全国的にも珍しい「信州農業再生復興ボランティアプロジェクト実行委員会」を組織。同市穂保・津野の両地区で、約400人がリンゴなど果樹の周りに堆積した泥の搬出や、農地に流れ着いた資材・ごみの撤去などを行った。(藤川千尋)
「息長い取り組みに」
実行委員会は、被災から1カ月がたち農家などから農地復旧への要望が高まっていることを受けて発足。社会福祉協議会や生協、労働組合など幅広い組織が参加し復旧作業を本格化させる。14日は、各団体の呼び掛けやSNS(インターネット交流サイト)などの情報を見て集まった人が参加した。
専門知識で助言
これまで長野市でボランティアは、住居に流入した泥や汚れた家具の搬出などに協力してきた。農業の専門的なノウハウがなかったため、農地復旧の支援活動は十分行われていなかった。
同日は農業知識があるJA職員や県の技術員らが農地を巡回。ボランティアに「土砂と、畑にもともとあった土の境界線を見極めて、堆積した土砂を搬出してほしい」「ごみを回収する時に樹木を傷付けないように気を付けて」などと呼び掛けた。
地域の農家も、ボランティアを農地まで誘導するなど活動に参加。NPOや社協のメンバーらは、災害ボランティア活動の経験を生かし、作業手順の伝達や動線の確保などを担当した。
ボランティアはごみの撤去と、木の周りの泥のかき出しの班に分かれて作業。泥の撤去作業はリンゴの木の半径2メートルの範囲で行った。木の根が酸欠状態となり枯れてしまうのを防ぐためだ。
新潟県上越市から参加した池田正彦さん(63)は「木の枝が低い場所では、体が触れて枝を折らないように中腰の姿勢になり、重い泥をかき出さないといけないから大変だ」と汗を流した。
JA営農部の小林芳則次長は「台風被害から1カ月が経過したが農地の復旧は遅れていた。多くのボランティアが参加してくれてありがたい」と感謝する。
全国の先行例に
今後は、14日の活動で見えた課題を踏まえ、作業規模や泥の置き場所、片付けの手順などの改善点を整理し、継続的な活動につなげる方針だ。
長野県NPOセンターの山室秀俊事務局長は「次回以降の活動の時期や規模は未定だが、地域の農家や住民の期待もあり、息の長い取り組みにしていきたい。(農業ボランティアの)先行事例になるはずだ」と強調する。
長野県では、千曲川の氾濫で県北部6市町の903ヘクタールの果樹園に土砂が堆積している。このうち長野市は520ヘクタールを占め、泥のかき出しなどに掛かる人手の確保が大きな課題となっている。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=U292wi1F8HQ
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年11月15日

リフターでコンテナ移動軽々 洗浄で活躍 サツマイモ生産者が作業場に導入 徳島市
徳島市でサツマイモ「なると金時」を栽培する吉田敬さん(84)は、20キロを超すコンテナを軽々と持ち上げられるリフターを導入し、労力軽減につなげている。「なると金時」を出荷する際の家庭での洗浄作業に用い、水槽から持ち上げるなどの負担をなくした。岡山県赤磐市で機械設計業を手掛ける松本殷昌さん(81)が開発したもの。コンテナで出荷する品目全ての作業の負担が軽くできるとして、期待が高まっている。
リフターは、天井のレールに取り付けた滑車からつるす。吉田さんは、横3・3メートル、縦5・2メートルの範囲を移動できるようにした。洗い場からコンテナ置き場までがカバーできる範囲だ。高さは、コンテナ3段分に当たる90センチまで持ち上げられるようにした。高さは、取り付ける作業場に応じて調整が可能。水に漬かる部分の素材は、さびないようにステンレスを使っている。
「なると金時」が20~25キロ入ったコンテナは、洗浄で水を含むとさらに重くなる。吉田さんはこれまで、水槽に漬かったコンテナを手作業で持ち上げていた。8月~5月中旬まで作業が続き、最盛期には一日にコンテナ40個ほどを処理しなければならなかった。高齢の吉田さん夫妻には負担が大きい作業だった。
吉田さんは「洗浄作業は、収穫作業後の疲れた時間帯にするので、リフターは本当に助かる。作業時間の短縮にもつながる」と導入メリットを説明する。
松本さんは2016年、同じ仕組みで米袋を持ち運ぶリフター「お米はこぶ君」を開発した。「サツマイモ農家には高齢者が多いと聞いている。ミカンやリンゴなど他の作目にも応用可能なので、ぜひ活用してほしい」と強調する。
設置場所や範囲で価格は異なるが、30万~40万円で注文を受け付けている。
問い合わせは松本さん、(電)086(955)4819。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=bEHd9xaZyQs
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年11月08日

ジャガイモ 線虫通行止め 北海道の建設会社車両洗浄装置開発 タイヤ高圧噴射で確実
北海道芽室町の建設会社、北土開発は、ジャガイモのシストセンチュウ対策で車両洗浄装置の開発を進めている。最新の画像処理技術を用いて、動いている車両のタイヤを自動検知するのが特徴だ。車両の速度に合わせて車両側面やタイヤに水を噴射。確実にタイヤを洗う。大型トラックのダブルタイヤの隙間も自動で高圧洗浄できる。現在、同社の敷地に試作装置を設置し、洗浄方法などを検討しているところだ。来春の発売を目指す。
開発中の装置は、低速の車両が走り抜ける際に、水を噴射してタイヤやタイヤ回りを洗う。装置への侵入口付近に取り付けたカメラでタイヤの形を捉え、車両の侵入を検知。大型車や中・小型車も判別する。
前洗浄では、循環水を床面に散水し、タイヤの走行面をぬらす。
前洗浄をした後は、精密洗浄エリアで高圧水を32個のノズルから噴射。
左右の両方向から噴射することで水圧を高め、タイヤ側面や走行面だけでなく、ダブルタイヤの隙間の高圧洗浄を可能とした。車両の下部やタイヤをめがけて噴霧するためフロントガラスや荷台の農産物に水がかかりにくく、汚れにくいのも特徴だ。
後洗浄エリアでは床面に消毒液などを散水し、走り抜けるタイヤの走行面を除菌する。車両が通過した後は、後洗浄エリアを水で洗い流す。洗った後の水は、泥の層で油分などを分離し、上澄みを前洗浄に再利用する。泥などは別に処理する。
現在は洗浄試験を重ね、効率的な洗浄方法や低コストな施工法などを検討している。近隣の畑作農家の意見も踏まえて開発を進める。2020年4月に発売する予定だ。
粒状ライムや石灰入り肥料を販売する同社は「シストセンチュウのまん延防止にも貢献したい」(事業本部技術部)と強調する。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=0mc5d77JMBM
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年11月06日

各県組織の支援拡大 復旧に向け職員派遣 台風19号
台風19号で被害に遭った地域では、JAグループによる支援の動きが広がっている。17日にはJA全中の中家徹会長がJA宮城中央会を訪れ、被害状況を聞き取った。JAグループ福島、JA長野県グループは被災地に中央会、連合会職員の派遣を開始。JA長野県女性協議会は、片付けに必要なタオルなどを寄贈した。
みやぎ仙南に職員10人派遣 宮城
台風19号の被災地を支援するため、JAグループ宮城の県連組織は17日、JAみやぎ仙南管内に職員10人を派遣し、復旧作業を支援した。18日も行う。
床上70センチまで浸水し、現金自動預払機(ATM)などが水没、営業できなくなっている丸森支店では、JA宮城中央会と農林中央金庫仙台支店の職員4人が、ぬれた書類などを近くにある旧店舗まで運び出した。
角田市の角田ライスセンターと北郷倉庫には、JA全農みやぎとJA共済連宮城の職員が3人ずつ駆け付け、米の移動作業に汗を流した。
角田地区の農業倉庫では、保管米約7万袋が浸水被害を受けている。
丸森支店で作業した宮城中央会の元木清貴さんは「現地に来て、改めて被害の大きさを痛感した。ちょっとでも手伝えたことはうれしい。復興に向けて、これからも力になりたい」と語った。
支援活動は取りあえず2日間実施し、今後も継続を検討していく。
なお、丸森支店が営業できないため、JAみやぎ仙南は15日から、丸森地区事業本部に臨時窓口を設けて営業している。
ボランティア職員20人参加 長野
JA長野県グループは17日、台風19号の影響で千曲川の堤防が決壊した長野市穂保地区の特別養護老人ホーム「りんごの郷」で、土砂やぬれた家具の搬出など、復興支援のボランティア活動を行った。JA長野中央会やJA全農長野などの職員20人が参加。18日も同規模の人数で行う予定だ。 施設は、社会福祉法人ジェイエー長野会が運営。堤防の決壊地点から300メートルほどの場所にあり、千曲川が越水し始めた13日午前1時ごろに、入所者87人と15人の職員が2階に避難。その後、堤防が決壊し、床上80センチほどまで浸水した。入所者と職員は、夕方までにヘリコプターやボートで救出され、全員無事だった。
施設は流れ込んだ水の影響で、1階部分の居室や浴室などは家具や介護機材が散乱し、泥に覆われた。参加した職員は、施設の隅々まで流れ込んだ、水気を含んだ重い泥をスコップですくい上げ、台車に置いた箱などに入れて搬出した。
作業に参加したJA長野厚生連の今井謙一郎さん(31)は「水気を含んで重くなった、ベッドやたんすなどの家具を移動させないと、泥を外に出すことができない。大変な作業だ」と汗を流した。
JAの支援活動を受けて、同施設の千野真施設長は、「これだけの災害で人手が足りない中で、JAグループが作業に協力してくれのは、本当にありがたい」と感謝する。
JA長野中央会総合企画室の新芝正秀室長は「協同組合に働く者として協同の力を発揮して復興を支援したい」と話す。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=5K3mHFLQvRY
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年10月18日

稲わら細工で 米に親しみを
実りの秋。稲刈り後に、子どもと稲わら細工に挑戦しませんか。楽しみながら米を身近に感じ、食農教育に効果的です。慣れれば5~10分で、手軽に作れます。和歌山県田辺市で米や野菜を生産する河原明さん(44)に、犬の稲わら細工の作り方を教えてもらいました。
湿らせ、爪で折り目を
河原さんは「稲わら細工は折り紙のように、日常的に遊べるのが魅力だ」と話します。
稲わら細工を始めたのは3年前。以前からしめ縄を販売していましたが、水引の本で十二支の作り方を見付け、稲わら用に編み方を変えて、作品を作り始めました。
2年前から、熊野古道中辺路の土産店や和歌山市のカフェ、フリマアプリなどで販売を始めました。土産店では、世界遺産を訪れる外国人が購入していきます。
乾燥した稲わらは割れやすいので、霧吹きで水を掛けてから作ります。途中で稲わらが乾燥したら、霧吹きで水を掛けるのが、こつです。稲わらを折るときは爪で折り目を付け、編み込むときは隙間を作らないようにします。
河原さんは「子どもと食べものを作る農家の間には、距離があるようだ。稲穂の米を食べ、残った稲わらで遊ぶことで『この稲わらの先に米が付いていたんだ』と感じられる」と、食農教育の効果にも期待します。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年10月11日

最新鋭その目で 「農業Week」千葉で開幕
日本最大の農業生産資材の展示商談会「農業Week(ウィーク)」が9日、千葉市の幕張メッセで始まった。初出展の170社を含む国内外680社が出展し、スマート農業など最新技術を活用した農機や生産資材、農薬などを農家らに売り込んだ。11日までの3日間で、同時開催のガーデニング展示会などと合わせて4万8000人の来場者を見込む。主催はイベント運営会社のリードエグジビションジャパン。
昨年まで「農業ワールド」と題して開いていたイベント。今回は「農業資材」「次世代農業」「6次産業化」「畜産資材」の四つの分野で、肥料や土壌改良材、被覆資材、鳥獣被害対策資材などの最新の商品を来場者に売り込んだ。畜産資材を総合的に集めたのは初めて。畜舎やふん尿処理施設、検査・測定器、飼料添加物など養鶏、養豚、肥育・酪農に関する資材を対象とした。
会場では注目度が高いドローン(小型無人飛行機)や施設環境制御装置の展示が目立った。多くの農家らがメーカーのブースを訪れ、担当者に性能や特徴を聞いていた。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=Ugolq5Ky3YM
日本農業新聞の購読はこちら>>
2019年10月10日

[活写] ゆらり畑に秋風 きらりルビー色
長野県箕輪町の「赤そばの里」で、花が赤いソバの品種「高嶺ルビー2011」が見頃を迎え、約4・2ヘクタールの畑が一面に色づいた。
一時は遊休農地となったものの、中箕輪そば組合が1997年、信州大学などが開発した「高嶺ルビー」の栽培を開始。2006年からは地元農家らがつくる「古田の里 赤そばの会」が受け継ぎ、地域の観光資源として定着した。12年には、品種を花色がさらに鮮やかな「高嶺ルビー2011」に更新した。
開花期の幻想的な風景が人気で、昨年は約2万5000人が足を運んだ。米などを作る農家で同会会長の押野光さん(68)は「もっと畑がむらなく色づくように育てたい。南アルプスに囲まれた風景を楽しんで」と笑顔を見せる。
見頃は10月上旬まで。(釜江紗英)
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=sk3F2I8KNbc
2019年09月29日