基本計画見直し 自給率設定に異論 食生活変化反映を 「低下」批判回避か 自民検討委

 来年3月に改定予定の食料・農業・農村基本計画を検討する自民党農業基本政策検討委員会(小野寺五典委員長)が29日開いた会合で、基本計画に掲げる食料自給率目標の在り方が論点になった。カロリーベースに偏重した目標設定に異論が相次いだ。国民の食生活の変化を踏まえてより適切な目標設定を追求する狙いだが、自給率低下の批判をかわしたい思惑も見え隠れする。

 食料・農業・農村基本法では、国民への食料供給は「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、輸入と備蓄を適切に組み合わせ」を求める半面、「多様化する国民の需要に即して行われなければならない」とも定める。

 一方、カロリーベース自給率は目標の45%に対し、直近の2018年度では37%と過去最低に落ち込んだ。基本計画では新たな自給率目標を設定することになる。

 会合では、米の消費が減り続けていることなどを背景に「食生活の変化が大きく、いくら農業に金をつぎ込んでも自給率を上げるのは相当難しい」(鈴木憲和氏)など目標設定の在り方を問う声が相次いだ。

 自給率低下が選挙の対立候補に攻撃材料にされるとして「自民党は頑張っていると別の視点で闘える材料が欲しい」(宮澤博行氏)との声が出た。「メディアに取り上げられ数字が先行する」(福山守氏)との懸念から国民への情報伝達を工夫すべきだとする意見もあった。

 同委員会顧問の宮腰光寛・前沖縄北方相は「カロリーベースに特化した議論が行われてきたが、基本法が目指す精神はそればかりではない」と強調した。「新たな基本計画は、食生活の変化を見通し、国民、農業者に説明できるものにする必要がある」と、目標の在り方を見直す考えを示した。

 需要の大きい麦や大豆は生産が伸び悩み、「米の消費減をカバーしきれていない」(農水省)ことが自給率低下に拍車を掛ける。

 小野寺委員長は「国民のニーズに合わせて何をどのぐらい作ることが必要で、そのためにどれだけ農地を維持し、農家がどれだけ必要かという形で議論すべきだ」との考えを示した。
 

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