日米協定 攻防ヤマ場 試算、再協議なお不透明 参院委で与党3日採決狙う

 国会は今週、日米貿易協定の採決を巡りヤマ場を迎える。9日の会期末が迫る中、与党は3日に参院外交防衛委員会で可決、4日の本会議で承認する日程を描く。野党側は採決日程に応じておらず、攻防が続く見通し。「桜を見る会」の情報開示を巡る与野党の対立は続いており、国会が不安定化することもあり得る。より精緻な農林水産業への影響試算や再協議の可能性など、論点は多く残っているが、議論が深まるかは不透明だ。

 衆院での協定審議時間は11時間。質問者不在のまま時間を消化する「空回し」も含まれる。要求資料を提出しない政府・与党に野党が反発し退席したものの、与党が審議を続行したためだ。

 一方、参院の審議時間は外交防衛委員会での審議や連合審査会、参考人質疑を含め、現時点で9時間。協定の内容以外の質問も多く、農産品の議論も深まっていない。審議は3日も続ける。

 米国を含む環太平洋連携協定(TPP)は、2016年に衆参に特別委員会を設けて計130時間以上審議した。米国離脱後のTPP11は、50時間弱だった。

 野党は衆参の審議を通じ、関税撤廃期限が決まっていない自動車・同部品を除いた経済効果の分析、TPPや欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の発効を前提とした農林水産品の影響試算を出すよう要求。米国が検討する自動車への追加関税回避を明文化したものがないため日米首脳会談の議事録なども求めたが、政府・与党は一貫して応じていない。農産品では再協議の可能性について野党が攻勢を強めたが、政府は「日本側の義務は規定されていない」(茂木敏充外相)などの答弁に終始。踏み込んだ発言はなく、やりとりは平行線をたどっている。

 日米協定に関連法案はなく、国内手続きの完了に必要なのは協定の承認だけ。憲法の衆院優越規定による協定の自然承認には30日の日数が必要だが、会期は残っていない。政府・与党は会期を延長しない方針で、参院の議決が必要になる。
 

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